大阪府営住宅の再整備

大阪府営住宅の再整備状況を調査しました。

公営住宅は「くらし環境部」の所管ですが、今年度は委員長なので、委員会では質問できません。しかし、今後の県と市町の全体最適を考えるうえで、公営住宅の再整備は行革の柱のひとつですので、先行している大阪府の話を聞きました。

府営住宅は330団地127,827戸。入居者222,408人(府人口の2.5%)。府内を6-7区分し指定管理者制度で維持管理を実施しています。

建替は直接実施・PFIを併用。H16-25の建替実績はそれぞれ11,815戸・3,834戸。用地活用は27.7ha・11.1ha。
PFIはBT方式という手法でオペレーションはエリアごとに決められた指定管理者が行っています。

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PFIを行う団地は、民間事業者が付加価値を見込める場合や建て替え地で民間事業者のノウハウが生かせる場合とのこと。

建替は基本的に居住者分の戸数を確保し、従来の5階建程度の住宅を高層化し棟を集約、余剰地を民間が活用する手法。分譲マンションを建てるケースが多いようです。

余剰地の活用は地元の市町村の意向を優先し、無ければ事業者に委ねています。PFIでは「サ高住」や子育て支援施設を設置したケースのほか、直接実施でも特養や市民サービスセンターを設置しています。なお余剰地の売却益は新たな建て替えの原資となっています。

空き室の利活用にも取り組んでおり、新築団地や倍率が高い団地を除き、自治会活動への協力などを要件に、高齢者の見守りや交流拠点、子育て広場や一時預かり事業などで活用しているとのこと。ユニークな取り組みですがこれは県でもできそうです。

なお大阪市内の府営住宅を昨年大阪市に移管したそうです。管理の一元化は以前から推進すべきと考えています。しかし受け取る市側の負担が大きく、なかなか難しいのが現実。さすが橋下改革ですね。

今回はPFIの活用を聞きに行ったのですが、規模の違いや立地環境の違いが大きく、PFIの県内での導入は難しさを感じました。

一方、高層化による建物の集約は可能であり、立地環境によりますが、市町とともに余剰地の利活用を検討すべきではないでしょうか。

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写真は千里ニュータウンにある吹田竹見台団地。 5階建を11階建にし、土地面積をほぼ半減。余剰地を民間事業者が分譲マンションとして活用していました。

道路を挟んで古い府営住宅があり、改修前、改修後の比較ができました。

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