兵庫県の地方創生総合戦略(慶應議連視察①)

現在の静岡県の地方創生総合戦略は2015年度から2019年度までの5か年計画となっており、今年度後半、この見直し作業が始まります。

現計画を策定したとき、「総合計画の焼き直し」と酷評しましたが、結果的に議会として認めたわけですから、現計画の評価はきちんとやっていかないといけません。次期計画に向け、実のある内容となるようしっかり議論していきます。

先月、慶應議連視察で兵庫県の地方創生総合戦略のお話を聞きました。

兵庫県の地方創生総合戦略は「自然増対策(子ども・子育て対策)」「自然増対策(健康長寿対策)」「社会増対策(人口流入増加・流出抑制)」「地域の元気づくり」の4つの戦略目標のもと、10の基本目標があります。

いくつかの気づきがありました。

本県との違いのひとつに、私も以前指摘したことがありますが、「出生“率”」ではなく「出生“数”」を指標としていることがあります。指標設定したからと言って、出生数が増えるわけではありませんが、政策がより具体的になると考えます。

また兵庫県は、2018年の日本人の転出超過が6088人、外国人を含むと▲5330人とのことで、本県同様20代30代の若年層の転出が課題ということでした。

一方、静岡県に比べて在住大学生が多いので、そこをターゲットにした就職協定による定着促進は効果がありそうです。また高校生2年生を対象に兵庫県内を7つの地域に分けた「企業ガイドブック」を配布し、若者定着対策を推進しています。

なお35歳以下の若者で「兵庫県地域創生ユースチーム」を結成し、自由な発想で地域創生企画を推進していました。いずこも同じ、地域活性化は“若者”がカギです。静岡県でも「若者会議」などやっていましたが、最近あまり動きを感じません。チェックしてみます。

中小企業の就業者確保策として「奨学金返済支援制度」を用意し、補助率1/3、上限年間6万円を支援していました。2019.3末で108社、304人が活用しているとのこと。本県は考えていないようですが、もう少し検証してみたいと思います。

ユニークな「ひょうごe-県民」制度がありました。本県の「ふじのくにパスポート」同様、web登録により県内情報を提供するのですが、それに加え、電子マネー(楽天Edy)機能を持たせ、利用に応じ、県が楽天Edy社から寄付を得る仕組みとしています。

これからの時代「GOVTECH(=government+technology)」の活用がカギです。