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【創ろう!元気な浜松&静岡県】 令和7年12月1日
静岡県議会議員 田口 章 メールマガジン<第176号>
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みなさま、こんにちは。静岡県議会議員の 田口 章 です。
今日から12月定例会がスタート。19日まで議会日程がビッシリ入って
います。
厳しい財政状況の中、県民のみなさまにご負担をお願いする議案が出さ
れています。あわせて特別職や管理職の給与削減案も提案されています。
来年度当初予算に向けてはさらにさまざまな事業見直しが行われるものと
考えます。先月号にも書きましたが、こうなる前にしっかり対応していなければ
いけませんでした。忸怩たる思いはありますが、将来に向け、よりよい静岡県
にすべく、汗をかき、知恵を絞ってまいります。
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◎目次
1.12月定例会の話題
2.SNS適正利用対策特別委員会のご報告
3.活動日程
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1.12月定例会の話題
本日上程される主な議案についてご紹介します。
一般会計補正予算案は約75億円の追加となっています。内訳は給与
改定+90億円(企業会計などを加えると+96億円)、台風15号で被災
した中小事業者(171事業者)への支援+2億円などの増額と、防災通信
システムの更新がR8年度に遅れることによる減額▲17億円です。
給与改定は、人事委員会の勧告に基づく@月例給+3.01%、Aボーナス
0.05ヵ月(4.6⇒4.65)引き上げの他、B国全体で教員の働き方を見直す中
“みなし残業”的に支給される「教職調整額」を4%⇒5%にするものです。
なお、知事など特別職は@については適用されません。Aについて従来は
適用してきましたが、今回は財政事情を鑑み「凍結する」としています。
「物価高騰などで県民生活が苦しい中、96億円もかけて公務員の給料
を上げるよりも、物価高対策に回せ」という声も聞こえてきます。
しかし私としては、社会全体の賃上げの流れを踏まえた上での人事委員
会勧告であり、引き上げない場合の今後の職員の採用や確保への影響も
あることから、引き上げはやむを得ないと考えます。
一方、例年言っていることですが、民間企業が生産性向上による結果と
して利益を生み、それを原資に賃上げすることを考えれば、今回、県職員も
3%以上の生産性向上を図る必要があります。
また人件費が増えれば、その分政策経費が減りますので、定員適正化に
向けた取組は不可欠です。この2点は総務委員会でキッチリ指摘します。
一般職の給与改定の一方、厳しい財政事情を踏まえ、給与削減も実施
します。令和9年3月までの1年3ヵ月で約5,000万円の削減を見込んで
います。
対象は、民間企業で経営者層に相当する「特別職」で、知事▲10%、
副知事・教育長▲7%、常勤特別職(監査委員・人事委員会委員・がん
センター局長)▲5%となっています。
また管理職手当の▲5%をカットします(管理職の給与ではありません)。
ちなみに管理職手当の月額は、部長13.9万円、局長10.8万円、課長
8.85万円で、対象人数は知事部局、警察本部、教育委員会を合わせて
約560人、平均金額は5,000円弱とのことです。一般職の給与はカットし
ません。
「削減しても大した財政効果はないのでポーズに過ぎない」との声もありま
すが、下記のとおり、今後県民のみなさまへのご負担をお願いすることが増え
ると思いますので、執行部として襟を正すということだと思います。
厳しい財政状況の中、受益者負担の引き上げも提案されています。
県立美術館(常設展)、地球環境史ミュージアム、富士山世界遺産セン
ターの入館料は、これまで大人300円と格安でしたが、500円に引き上げ
る予定です。
また、維持管理経費が増える中、施設使用料や各種手続きに関する
手数料の引き上げも予定されています。
実は私、富士山世界遺産センターが完成した時、「300円は安すぎる。
施設の価値を考えればもっと取ってもよい」と指摘しましたが、県は「他施設
と水準を合わせる」として300円に揃えていました。40億円もかけて造った
施設です。私はもっと高くてもよいと思っています。
こうした状況の中、議員報酬の取り扱いについても、今後議会で検討する
見込みです。
私は、@来年度当初予算編成に向けて、事業や補助金などの見直し
で、これまで以上に県民のみなさまにご負担をお願いすることが予想される
ことや、A財政危機に至ったのは執行部だけの責任ではなく、予算を議決
してきた議会にもあることから特別職同様の対応を取るべきと考えています。
いろんな考え方の議員がいると思いますので、今後の議論にご注目ください。
もちろん、それで終わりではありません。やるべきことは山のようにあります。
これまでも予算提言にあわせて「事業の廃止・見直し」を提案してきまし
たが、これまで以上に更なる行財政改革に取り組んでまいります。
折しも「行政経営戦略会議」から11/27に提言が示されました。ご指摘
を踏まえ、行財政改革にまい進します!
★静岡県の今後の行政経営への提言(静岡県のサイト)
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2.SNS適正利用対策特別委員会のご報告
今年度、私は上記特別委員会の委員を務めています。2月定例会で
議長宛に提言を出す予定で、そのために有識者からのヒアリングなど調査
研究を続けています。
こうした中、11/19に行われた委員会で、警察庁OBのスペシャリストと
静大の先生からレクチャーを受けました。非常に参考になったので、みなさま
と共有させていただきます。
〇SNS詐欺の現状
警察庁OBで(一財)日本サイバー犯罪対策センター業務執行理事の
櫻澤健一先生(静岡大学情報学部客員教授)からは、今や重要な社会
インフラとなったインターネットを使った犯罪の現状に関して、「サイバー空間
の脅威の実態について」と題してご講演をいただきました。
下記グラフ1をみると、ここ1−2年で急激に詐欺による犯罪被害額が
増えていることがわかります。
20年ほど前までは窃盗が多く、警察では警らの強化や防犯カメラの
設置など対策を進めました。そのおかげで窃盗等による被害は2002年を
ピークに減ってきました。
しかし、2024年の被害額は過去最多の約4,021億円となり、そのうち
詐欺が約3,075億円(約76%)を占めるに至っています。
しかもグラフ2のとおり、SNSやインターネットを使った詐欺が約2,092
億円と驚くべき金額に上っています。犯罪は私たちが暮らす地域から、
ネット空間にシフトしており、犯罪者もそこを狙っているということです。
【グラフ1】

【グラフ2】

【出典 日本サイバー犯罪対策センター資料より】
私のスマホにも数日おきにフェイスブックのお友達申請が届きます。
投資詐欺やロマンス詐欺は、こうした“お友達”からダイレクトメッセージ
で誘われるケースが多いようです。また投資詐欺ではSNS広告や投資
サイトから、さらにロマンス詐欺ではマッチングアプリから誘われることもある
ようです。
静岡県警では今年4月、「サイバー対策本部」を設置し対応を強化
しました。まずは私たち県民がこうした犯罪の実態を知ることが大切です。
★静岡県警のサイト をぜひご参照いただきたいと思います。
〇大事なのは「自分事化」
こうしたネット詐欺被害のニュースは毎日のように報道されていますが、
なぜ減らないのでしょうか。
新たな手口が続々と現れることもあるでしょうが「自分には関係ない」
「私は大丈夫」という考え方の問題も大きいのではないかと思います。
以前の委員会で、SNS詐欺の被害者は40代から60代が多く、
しかも男性に多い傾向があると聞きました。(私も含め)この年代は、
自分が思っているよりもインターネットリテラシーが低いかもしれません。
謙虚に受け止めたいと思います。
そこで大事なのが「自分事化」です。
静岡大学教育学部准教授の塩田真吾先生からは、「『事例を
紹介して、危ないから気をつけようね』では問題解決にはならない」、
「『自分は大丈夫』ではなく『どういう場合にそうしてしまうか』を考える
ことが大事」というお話をうかがいました。
先生は、「いつ」「誰に」「なぜ」「どのように」など、誘われる・巻き込
まれる場面を、いろいろ想像しながら考える必要があると言います。
大人の「SNS詐欺」もそうですが、こどもたちの「飲食店での迷惑
行為」、「闇バイト」、「自撮りトラブル」など、どういう場合に引っかかって
しまうかを自分に当てはめて考えてみようということです。
詳しくは★塩田先生の研究室サイトをご覧ください。
とても参考になります。特にお子さんのSNS利用にご苦労されて
いる親御さんには、見て、活用していただきたいと思います。
〇「余暇の充実」というアプローチ
10月に愛知県豊明市で「スマートフォン等の適正使用の推進に
関する条例」が施行されました。
市民のスマホ利用を1日2時間以内にしよう…という条例です。
スマホの使いすぎで睡眠時間に影響するケースがあるということらしい
ですが、私は条例でここまでしばりを入れたくはありません。
「スマホの使いすぎ」が課題とされることはよくありますが、そもそも
「使いすぎ」とはどういうことなのでしょうか。
塩田先生は「“何か”に悪い影響が出ること」と言います。子どもに
限らず大人にとっても、睡眠や勉強、仕事などの生活面に影響する
ようでは問題ですよね。
そこで先生は「スマホの使いすぎ」は「タイムマネジメントの問題」と
して、「使いすぎに気をつけよう」ではなく 「余暇の使い方を考えよう」
と問いかけてはどうか…と述べています。
塩田先生のサイトには、ヤマハの社員さんが協力してつくった「余暇
図鑑」というコーナーがありました。スポーツや文化など趣味の価値は
そういうところにもあるかもしれません。
私もスマホ画面ばかり見ていないで、バイクに乗ったり合唱をしたり
もう少し余暇を楽しもうと思います(笑)
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3.活動日程
○11月の主な活動
01(土) シニアクラブ運動会、ナイスハートふれあいのスポーツ広場
02(日) 浜名湖うなぎまつり
03(月) シニアクラブ県政報告
04(火) 会派視察(八戸市)
05(水) ジャパンモビリティショー視察
06(木) 他労組議員との意見交換
08(土) 自治連会議
09(日) 労組大会
12(水) 慶應議連視察研修会(銚子市)
13(木) 同(香取市・四街道市)
14(金) 同(国政研修会、総会)
15(土) 連合クリーンキャンペーン、労組研修会、スズキ工場秋まつり
17(月) 中学校訪問、労組大会
19(水) SNS適正利用対策特別委員会
20(木) 障がい者施設視察
21(金) 中学校評議員会、会派総会、連合浜松定期大会
22(土) 入野協働センターまつり
23(日) 入野協働センターまつり
24(月) FM県政報告
25(火) 議会運営委員会
27(木) JAW静岡議員連絡会
29(土) 連合健康ウォーキング、拉致問題国民の集い(静岡)
30(日) 新政あいち意見交換
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○12月の主な予定
01(月) 本会議(12月定例会開会)、選挙区等調査検討委員会
02(火) 総務委員会
03(水) 浜松三田会総会
04(木) 本会議、日台議連講演会
05(金) 本会議、議員研修会
06(土) バイクのふるさと浜松
07(日) 地域防災訓練
08(月) 本会議
09(火) 本会議、自治連会議
10(水) 本会議
11(木) R8当初予算ヒアリング
12(金) 入野地区コミュニティ協議会
15(月) 総務委員会
16(火) 総務委員会、SAW労使会議
17(水) R8当初予算への提言
18(木) 議会運営委員会
19(金) 本会議(12月定例会閉会)
20(土) PTA意見交換
22(月) 連合静岡意見交換会、FM県政報告
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