諏訪広域連合
昨日の長野県庁でのレクチャーに続き、広域連合のひとつ「諏訪広域連合」を訪問しました。
長野県内に10ある広域連合はその地域や自治体規模などに応じてそれぞれ特色を持っているようです。
諏訪広域連合の構成自治体は、岡谷市(人口約5万人)、諏訪市(約5万人)、茅野市(約5.5万人)、下諏訪町(約2万人)、富士見町(約1.5万人)、原村(約0.7万人)の6市町村。全体で約20万人規模ですが、他の地域に比べて規模のバラツキが小さいのではないかと思います。
市町村単独でやるよりもスケールメリットを活かせる事業をやるという基本的な考え方のもと、「介護保険事業(認定・サービス提供・給付・管理など全般)」や「小児夜間急病センター」の運営、「消防」、「職員研修」などをやっています。
“婚活イベント”もやっているとのこと。市町村単独でもやっているそうですが、“出会い”はスケールメリットがあった方が良いのかも…。
このほか「(株)諏訪広域総合情報センター」という三セクに出資し、6市町村の情報システムの一元化を行っています(クラウドですね)。6市町村のサイト管理も行っているとのことでした。
昨日聞いた“課題”の実態を聞いてみました。
事務局は13人で、すべて6市町村からの派遣職員で構成され、3年くらいで交代するとのこと。企画に携わるプロパーは難しそうです。さらにどの自治体も職員が減っており、広域連合で新たな事務を行い、そのために職員を派遣するのは難しいのでは…とのことでした。
諏訪広域連合では「人事交流」もやっていると聞いていましたが、実際には自治体間の交流人事はありますが、広域連合事務局として人事交流を進めているとか、小規模自治体への支援をやっているということはありませんでした。
「意思決定に時間がかかる」点は、担当者会議から、課長級の調整、さらに首長の調整と、ステップを踏まないといけないことや、それらの会議頻度が低いことなどから、新たな事業を進めるのはやはり大変そうでした。必要に応じて事前調整はやっているとのことですが、首長の考え方によるところが大きいようです。
広域でやるメリットがある事業としては「消防」や「情報処理」などのほか、「福祉」や「観光」を挙げていました。また「観光」は民間(観光協会)がしっかりしているとのことで、行政の役割はサポートだということでした。
また「ごみ処理」は広域連合計画にも入っていますが、実際は、3自治体ずつの「一部事務組合」を2つ作ってやっているとのことでした。事務事業によって広域連携の手法もさまざまということでした。
静岡の広域連携のあり方について、今後、検討していこうと思っています。