歴史に学ぶ地震津波対策

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6月定例会開会日に議員研修会が行われました。

講師は静岡文化芸術大学の 磯田 道史 教授。

氏は「武士の家計簿」の原作者としておなじみの歴史学者で、最近では徳川家康公没後400年の事業でもさまざまな識見を披露してくれています。

研修会では「歴史に学ぶ地震・津波被害と対策」と称し、古文書から過去の大地震の記録をひもとき紹介、解説してくれました。

◆南海トラフの巨大地震の発生状況

684年 天武(南海…東南海、東海での発生は不明)

887年 仁和(南海…東南海、東海での発生は不明)

1096・99年 永長(東南海、東海)・康和(南海、東南海)

1361年 正平(南海)

1498年 明応(東南海・東海…南海での発生は不明)

1605年 慶長(南海、東南海、東海)

1707年 宝永(南海、東南海、東海)

1854年 安政(南海、東南海、東海)

1944・46年 昭和(南海・東南海) 

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南海、東南海、東海のエリアは図をクリックしてご覧ください。

この図により「東海地震はいつ起きてもおかしくない」と言われてきましたが、磯田教授のようにさらに資料をさかのぼると「歴史上、東海地震が単独で起きたことはない」とも。

しかし90年から150年周期では必ず起きていることから、「早ければ2030年代には起きるんでしょうね~」とおっしゃっていました。

◆津波シミュレーション

県がシミュレーションをもとにレベル1、レベル2津波を想定し、対策を検討していることに対しては、「東日本大震災で、津波の高さが2mを超えると家が流されることが分かった。宝永地震では、標高7mの白須賀宿の家が全壊したことを考えると、津波高は9m以上と推測される」、「湖西や浜松ではL1の7mでは心配がある」とのことでした。

◆避難の知恵

東日本大震災では長時間の揺れを感じた方が多かったと思いますが、これも史実があるようです。

「宝永地震では10分ほど揺れたのではないか」とのこと。「7~8町の距離を逃げる間揺れた」という記述から、歩く速度を考えて10分という時間を推測したそうです。

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歴史の知恵と現代科学のどちらを信じるかはお任せしますが、少なくとも私は常に最悪の事態を想定しつつ、過度に恐れず正しく恐れる(避難計画を立てておく)ことをお勧めします。

磯田教授の資料をご覧になりたい方はお問い合わせください。

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