一般質問
一般質問を行いました。質問の概要と答弁の抜粋をアップします。
1.静岡県の全体最適について
「県と市町の全体最適」は私が4年前から取り組んでいる行財政改革の取組です。簡単に言えば二重行政など行政のムダをなくすことです。今回の一般質問はこれにスポットを当てて質問しました。
(1)総合戦略策定における広域連携の強化
【田口】本格的な人口減少社会を迎え「総合戦略」が策定されている。
静岡県では5つの圏域に分けた「地域戦略」の策定を進めているが、広域連合や連携協約など、行政経営のあるべき仕組みをどのように考え織り込んでいくのか?
【川勝知事】人口減少社会の中で、魅力ある地域を持続し、地方創生を実現するには、既存の自治体の枠組みを超えて、広域的な視点に立った新たな行政運営の仕組みに取り組むことが重要。
その際には権限、財源だけでなく、人材も降ろし、最大の能力を基礎自治体のために使っていく。
【田口・再質問】
連携強化で重要なのは、市町の総合戦略との整合や市長・町長との連携だ。その点はどう取り組むか?
【川勝知事】
トップとの意思疎通は基本的にできている。トップのみならず住民にも説明し、地域の一体感を醸成していく。
(2)今後のファシリティマネジメントの進め方
【田口】
ファシリティマネジメント(資産経営)は徐々に進んでいるが、「施設の総量を減らす」という議論がないと総量適正化につながらない。全庁的な判断をどう進めていくのか、
また、県と市町の施設とを合わせたトータルの最適化をどう進めるのか?
【伊藤経営管理部長】
総量適正化は喫緊の課題と承知しており、計画の中に盛り込んでいき、統廃合は県有財産有効活用推進委員会で協議する。
また、県では全国に先駆けて公共施設のオープンデータ化を行っており、県と市町との連携を一層進め、支援していく。
(3)市町の公営企業改革
【田口】
高度成長期に建設した上下水道の老朽化は深刻で、更新投資の増大や人口減少に伴う料金収入の減少など、経営環境は非常に厳しさを増している。
会計手法の見直しや広域化、民間活用の推進など、市町の公営企業改革をどのように支援していくのか?
【伊藤経営管理部長】
市町が経営状況や資産・負債の現状を正確に把握し、中長期的な経営計画を策定するよう支援していく。
またこうして経営情報を開示することで、民間活力の活用や公的部門への参入につなげていく。これらを進めるため「行政経営研究会」を活用する。
(4)公営住宅政策
【田口】
県営住宅と市営・町営住宅は二重行政的に運営されており、役割分担の明確化、民間空家を考慮した住宅政策、民間会計手法の導入、民間活用の推進等を検討すべき。
来年度の「住宅マスタープラン」と「県営住宅再生計画」の見直しに向けて「経営的な観点」を導入すべきでは?
【池谷くらし・環境部長】
住宅困窮世帯は約3万7千世帯と推計されており、県と市町が協力し対応している。この体制は維持するが、供給を抑制することが妥当と考える。
高齢者が住みにくい郊外の団地の削減などメリハリをつけた計画とする。民間活用の推進とともに企業会計導入も試行的に対応する。
【田口・再質問】
「県営住宅再生計画」は戸数管理が中心で、深刻な財源問題を抱えていると認識している。
公債残高はH23年度の199億円がH52年度には482億円と倍以上に増える見込みで、人口が減る中、借金を重ねて県営住宅を維持するという計画。抜本的な見直しが必要ではないか?
【池谷くらし・環境部長】
昭和40年代から50年代初頭に大量に建設した県営住宅の更新時期が来ており、非常に大きな財政負担になる。
総量管理で全体抑制することが当然必要で、更新時期を均すことで将来負担が大きくならないよう議論している。問題点は十分承知している。
(5)住民協働社会と財源確保の推進
【田口】
地域社会の課題解決に取り組むNPOや各種団体は、公民連携の重要なパートナーだが、行政の補助金は減っている。
事業を支えているのは「寄附」だが、財源確保の手段として「クラウドファンディング」など新たな手段を活用してはどうか?
【川勝知事】
NPO法人等の実態調査では「財源確保が課題」というところが、H22年度の34.4%からH26年度は52.3%に増えている。
「クラウドファンディング」や「コミュニティバンク」等々、新しい資金調達手法も生まれており、新たな財源確保のための環境を整備して、協働に支えられる地域づくりを進めていく。
2.チャレンジする県職員の育成と人事処遇制度の見直しについて
人口減少社会では、これまで当たり前にやってきたことから発想を転換し、仕事を進める必要があります。そのためには職員の人材育成が不可欠です。最後にその点について質問しました。
【田口】
県職員は優秀な方が多いが、チャレンジングな仕事は苦手のように見受けられる。
今後の人口減少社会に挑戦していくには、高い目標にチャレンジし、あげた成果を処遇に反映していく人事戦略が必要。「目標管理制度」を導入すべきで、制度改善における課題や今後の進め方をうかがう。
【伊藤経営管理部長】
来年4月を目途に、新たに目標管理による業績評価の仕組みを導入することをめざして、全庁で研修を実施している。
評価制度の適切な運用に努めるとともに、昇任や給与などの処遇への反映を通じて、目標達成に向けチャレンジしていく職員育成に努める。
【田口・再質問】
制度構築にあたっては、民間の人事処遇制度に詳しい人などから意見を聴くことも必要ではないか?
【伊藤経営管理部長】
研修の成果が10月下旬にまとまることから、職員や所属長の意見を聴くとともに、専門家や学識経験者から意見を聴いたうえでよりよい評価制度の構築を検討していく。
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最後に「チャレンジングな人材育成を進めていただきたい」と要望して締めくくったところで、残時間は0秒となり、持ち時間25分をフルに使っての質問となりました。
今年はもう一回質問のチャンスをいただけそうです。