航空機産業セミナー
浜松市で行われた「航空機産業セミナー」に参加しました。
浜松地域では平成17年、商工会議所に「SAT研(宇宙航空技術利活用研究会)」を立ち上げ、宇宙航空産業分野の活動をスタートしました。現在では47社が参加、ワーキンググループを作り研究を進めています。
さらに平成22年、「SOLAE(浜松航空機産業プロジェクト)」を設立し、事業化に向け取り組みを始めました。これまでに、機体・エンジン部品、装備品部品や治具などの受注実績を挙げています。
しかし新たな課題も見えてきました。大きく3点、「認証取得」「品質保証」「一貫生産」です。そのため平成26年、組織を再構築、コンソーシアムを拡大し「Solanet」としての活動を始めました。
しかし時代はさらに進んでいます。今日、新潟の事例を伺いましたが、行政の協力が不可欠と感じました。
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中小企業の航空機産業参入を促進するための地域クラスターは、浜松を含め全国に18ほどあるようです。しかし組織はできても、実際に参入できている事例はあまりないということ。
それだけ参入障壁が高いということです。SOLAEの課題でも書きましたが、“Nadcap”という認証取得やそれに必要な人材の育成、さらに品質保証や一貫生産に必要な巨額の投資は、とても中小企業の手に負えません。
一方、航空機産業は、途上国の経済成長や世界的な交流人口増もあり、市場規模は成長を続けており、今後25年間の生産計画は決まっているとのこと。すなわち「ビジネスチャンスはそこにある」ってことです。
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新潟市では★NIIGATA SKY PROJECTと名づけた航空機関連産業の支援事業を行っています。
HPにはさまざまな取り組みが書かれていますが、驚いたのは「共同工場」の設置です。詳しいスキームはHPをご覧いただければと思います。
今日講演いただいた経営者が参画している「共同工場」はすでに昨年から稼働しているそうです。
さらに現在、市が土地と建物を用意し「戦略的複合共同工場」を設置し、中小企業の参入を支援する取り組みを行っています。HPによると、これも入居企業が決定し、体制が徐々に整っているとのこと。
講師はさらに、「航空機産業は海外との競争。これに勝つためには“薩長同盟”をつくらないといけない」と、浜松の企業経営者のみなさんにエールを送っていました。
民間企業のみなさんにもガンバって欲しいですが、ここは行政も考えどころです。
先週、新潟県(燕三条)に行ったばかりですが、また行かねばなりませんね・・・。