県内視察4(浜松市下水道コンセッション)
昨日の記事ですが、慶應議連2日目午後の視察先は地元浜松市。官民連携事例をいくつか紹介してもらいました。
まず最近話題になっている「下水道施設のコンセッション」の導入。初めてお話を聞くことができました。
これは、今年度、県から浜松市に移管された「西遠流域下水道」の施設管理に日本で初めてコンセッション方式を導入するものです。
期間は平成30年度から49年度の20年間。対象施設に「管路」は含んでおらず、天竜川河口近くにある「西遠浄化センター」と2ヵ所の「中継ポンプ場」ということでした。個人的には「管路」の管理はリスクが大きく「なじまない」と思っていましたので妥当なところかと。
浜松市が収入する下水道使用料の一部を利用料金として運営権者に支払うとしています。当初は27%という設定だそうですが、これが妥当かどうかはよくわかりません。
行政としては、長期間の維持管理と改築に対し、民間事業者の持つノウハウ(アセットマネジメントなど)を活かしてもらおうことを期待しており、さらに民間事業者は施設を活用した独立採算事業が可能になります。
モニタリングの体制が重要ですが、これも調整が進められているようでした。
6月の説明会・現地説明会には15社が参加したとのことで、9月にはマーケットサウンディングが行われる予定です。Win-Winの関係ができるか、今後の動向が注目されます。
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このほか、官民連携の失敗事例として「フォルテの廃止」について紹介してもらいました。
全国でまちおこしを手がける 木下 斉 氏が“墓標”と呼ぶ、まちなかの3セク施設が全国で話題になっています。
フォルテも放っておくとまさに“墓標”になったと思いますが、浜松市はいち早くそれに気づき、平成19年度にこれを民間売却しました。
詳しくは下記私の過去ブログをご覧ください。目次の中から「フォルテ」に関する項目をご覧ください。
いまでこそ「ファシリティマネジメント」が進んでいますが、当時、この施設を廃止したのは浜松市の先見の明だと思います。
3セクは民間のいいところと行政のいいところを合わせ持つことを理想に掲げましたが、民間の悪いところと行政の悪いところを合わせ持つ、おそろしいモノになる危険もあります。
官民連携と一口に言っても中味はいろいろです。
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最終日25日の午前中は防潮堤を視察。
300億円もの民間からの寄附金事業に参加者は目を見張っていました。
慶應義塾全国議員連盟は、全国の市町村議会議員と私のようにその経験を持つ県議会議員や元職で構成されています。
会員数は約190人、現職は140-150人程度ではないかということです(調査が変動に対応できていません)。
超党派で意見交換できるのが会の魅力です。今回もベテラン議員の鋭い質問が参考になりました。勉強になります。