慶應議連研修会

Keio

慶應義塾全国議員連盟の研修会が三田キャンパスで行われました。備忘録として研修概要をアップしておきます。

①慶應義塾メディア・コミュニケーション研究所 福澤研究センター 都倉 武之 准教授

明治初期の時代の変革者でもある慶應義塾創始者 福澤諭吉先生の政治思想に対する考え方の講義。 著書「学問のすすめ」の「天の上に人を造らず、天の下に人を造らず」は政治にとって非常に重要なメッセージ。

福澤先生は日常生活でもそれを実践しており、江戸期の士農工商の身分制度では着衣も定められていたが、士分の先生が商人のいでたちをしていたこと、また「政治」と「学問」も上下の序列にないことを、身をもって示したことなどを聞いた。

「独立自尊」「敢為活発」を忘れず、進取の精神で自らを変え政治を変えていくことの重要性を痛感するとともに、政治は誰のために行うのかを再認識した。

②神奈川大学 浅野 史郎 教授(元宮城県知事)

国が主導する地方創生には矛盾がある。地方が自らやることが必要。

豊洲市場の問題は行政のガバナンス、内部統制の問題。都庁内のガバナンスは石原都政のあたりから緩んでいる。都議会は情報公開されていなかったのでチェックするのはムリだったろう(そこまでやる議員もいないということだが)。

宮城県知事の時、食糧費の不正使用がオンブズマンから指摘された。逃げたり隠したりごまかしたりしなかった。内部調査は甘いといわれるがやり方次第だ。

政務活動費問題は由々しき事態。議会は何をするところかを自問すべき。議会はチェック機関だけではない。政策を作るところ。そのために政務活動費を使うべき。

③衆議院議員 石破 茂 氏(前地方創生担当相)

日本はこれから難しい時代を迎える。明治維新以来、日本は約50年に一度、国を作り直してきた。しかし次の50年に向けてのGreat Resetはできていない。

人口減少の中、負担の先送りはもうできない。デフレはグローバル化により、廉価な商品が中国などから入ったことによるもの。雇用を守るために賃下げしてきたが、生産性は向上していない。合成の誤謬だ。

自治体でも「エコノミスト」を読まないとダメだ。マクロ経済を分析しろ。地方創生補助金も、国のメニューから選んでいるようではダメ。「わが市のココを助けてくれ」にならないと。そのためにRESASも用意した。

トップランナーを引き上げるのは困難。しかし地域ごとにポテンシャルのある産業は必ずあるはず。思考停止になってはいけない。

「やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民間、任せっぱなしの市民」ではいけない。
リーサスコンテストを注目してほしい。しがらみのない中学生がすばらしいアイディアを出している(チェックすべき)。

国を変えるのはいつの世も地方だ。独立と継続が必要。先送りはダメ。