6年経った今も・・・
福島県視察最終日は南相馬市。相双建設事務所を訪問し復興事業の状況などをうかがいました。
福島県というと原発被災地のイメージが強いですが、津波被害も相当のものです。今日は南相馬市中心部に近い「渋佐萱浜地区」の防潮堤+防災林+県道のかさ上げ+圃場整備など総合的な事業をご説明いただきました。
約2.7kmの海岸整備に約128億円、約3.8kmの県道かさ上げに約23億円、そのほかの事業にも多額の事業費が投じられています。
相双建設事務所は香川県に匹敵するくらいの広範な地域を所管しており、今年度予算は960億円と震災前の10倍になっているそうです。一方、人員は1.5倍の160人ということで、忙しい状況が続いているとのこと。愛知県や岡山県、島根県などから応援要員が来ており、今日も長崎県からの派遣職員さんが同行してくださいました。
県内でもこの地域は、原発事故の影響で“帰宅困難区域”の復興事業が思うように進まない現状があります。南相馬市南部の小高地区は昨夏規制解除されやっと着手できるようになったとのこと。
さらに南部の浪江町や双葉町、大熊町といったあたりはまだ立ち入りが規制されており、6年経った今もまだ時が止まったかのような感がありました。
大量の除染廃棄物も事業の大変さを物語っていました。復興支援はまだまだこれからです。
説明してくださった職員さんは、復興事業に携わる県職員であると同時に被災者でもあります。親族のご不幸などもお伺いしましたが、「東京から2時間、温泉や食べ物、おいしいお酒などイイところがたくさんありますから、ぜひみなさんで遊びに来てください」と笑顔でお話されていました。その心中をお察しするばかりでした。