ネイバーフッド エマジェンシー チーム(ポートランド視察報告6)

201705116

5/11(木)、今回の視察コーディネーターが所属するネイバーフッドアソシエーションの一つであるバックマン(Buckman)地区を訪問し、危機管理に備えた住民組織(NET=Neighborhood Emergency Team)の月例会に参加させていただきました。

会場はマルトノマ郡庁舎 (Multnomah County Building)内の会議室です。

日本にも「消防団」「自主防災隊」があり、「住民の命を自分たちで守る」という目的は同じですが、組織の違い、民主主義の考え方の違いを目の当たりにしました。

今回の訪問にあたり「静岡県の防災対策の話を聞きたい」というリクエストをもらいましたが、そのことからも積極的な組織であることがうかがえます。

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お会いしたNETメンバーは、チームリーダーのクリストファー・ドリン氏ほか5名。

ドリン氏は建築家であり、オレゴン州では家屋の倒壊防止対策が全くとられておらず大きな課題だということから、静岡県の防災対策の一環として取り組んでいる「プロジェクトTOKAI-0」を説明しました(写真)。

アメリカは自分のことは自分で守るという考え方が徹底しているせいか、税金を投入しての安全対策に興味津々の様子でした。

NETメンバーはリーダーのほか、水難救助に役立てると元漁師のアンドリュー氏、元グローバルコンサルタントで野外救命士のケビン氏、看護師の経験があるナービー女史、ICTに興味があるタニヤ女史、ウィル氏(自己紹介が聞き取れなかった)、また今回のコーディネーター中田理恵氏もメンバーとのこと。

日本との違いはメンバーの自主性と専門性です。日本では消防団や自主防災隊のなり手が少なく関係者が様々な人に頼んで組織を維持しているところが多く、また最近女性が増えてきたが男性中心の組織です。

一方NETは男女を問わず参加しており、特に自分の能力を活かして、自分ができるサポートをやろうとしているメンバーが多いようです。その点はPBEMでも伺いましたが、まさにその現場を見せてもらいました。

「アメリカ人は誰かから“やらせられる”のはイヤなのよ。だから自発的にやるの」という声が印象的でした。

民主主義の原点を見たような気がします。