一般質問やります

本日11:30頃から一般質問を行います。

今回の質問は、今後、人口減少社会を迎える中、人口流出防止を進め(質問1)、人口減少に対応できる行政システムを作ること(質問2)。さらに将来に向け元気な静岡県を創っていくために、来年開催されるラグビーW杯を活用すること(質問3)、自動車産業の変革にいかに対応していくか(質問4)を取り上げます。

任期4年の最後の質問となります。これまでお約束してきた行財政改革や地域活性化、安全安心な地域づくりなどなどいろいろ質したいことはあるのですが、限られた時間であり、これらの項目に絞り込みました。

1.地方創生総合戦略

(1)進捗評価

県は2015年10月に、2019年度を目標年度にすえた静岡県版地方創生総合戦略「美しいふじのくに まち・ひと・しごと 創生総合戦略」を策定しました。

この計画は2060年の人口ビジョンをもとに、人口減少対策として当面の「抑制戦略」と将来に向けての「適応戦略」を取りまとめたものです。
2年半が経過した総合戦略の進捗状況の評価と今後の進め方を質します。

(2)若者の声を生かす仕組み

県は、地方創生総合戦略の策定に合わせ「次代を担う若者たちによる県民会議」を設置し、数回のワークショップを通し、昨年秋に提言を受けました。

若者に政治に関心を持ってもらうためには、情報を伝えるだけなく、政策決定に参画してもらう機会を増やすことが必要です。これまでの若者の県政参画の評価と今後の方向性について質します。

〇次からの3問は人口減少「社会減」対策に関連した質問です。社会減(増)は転入転出の差のことで、静岡県の総合戦略では、社会減対策の目標値を2014年の▲7240人を基準に2019年に転入超過にすると設定しています。しかし残念ながら2017年の現状値は▲5242人と大幅な転出超過が続いています。

(3)実学の奨励と地域人材の育成

転出超過の最大の要因は、高校卒業後に県外に進学しそのまま帰ってこないことです。そこで高校卒業後の多様な選択肢を県内で確保し、地域内の就労につなげることが重要です。

今年6月1日、「地域における 大学の振興及び若者の雇用機会の創出による 若者の修学及び就業の促進に関する法律」が施行されました。この法律は、地域の特性を活かした大学や専門学校のカリキュラムを作り、若者が地域内で学び、働く地域づくりを目指すものです。

毎年約6千人が進学する県内の専門学校において、地域企業のニーズに応じた実学教育による人材育成を支援するよう提案します。

(4)UIJターンの推進

他県の大学に進学する毎年1万3千人の学生にUターン就職を進めるため、大学との就職支援協定の締結、特に理工系大学や中部圏の大学との協定締結を進めるよう提案します。
また30歳前後の若者がUターンを考える際の懸念のひとつが収入減であり、奨学金の返済支援や住宅支援など経済的支援策を検討するよう提案します。

(5)県内大学生の県内就職促進

県内の大学に通う大学生は8千人強、そのうち県内出身者は5千人弱です。就職動向は県内出身者の8割、県外出身者の2割、全体では約6割が県内で就職し、4割(約3千人)が県外で就職しています。彼らの県内就職を増やすことで大幅な転出抑制が期待できます。

産学官の連携により県内企業の魅力を伝えるとともに、静岡県の魅力を学生に知ってもらう仕組みづくりを提案します。

2.行政経営革新プログラム

行政経営革新プログラムは今年3月に策定された2021年度までの行財政改革の計画です。この中から「人口減少適応対策」として今後必要と考える3つの点について質問します。

(1)民間との連携協働

今後は財源も人も足りなくなってきます。行政サービスを「官」がすべて行うのは困難であり、民間でできることは民間で行えるよう県の体制を早急に整備する必要があります。
しかし静岡県は他県に比べ、民間活用に対する姿勢が十分ではありません。

国は2015年度に「多様な PPP/PFI 手法導入を優先的に検討するための指針」を示し、都道府県と人口20万人以上の市に方針を策定するよう求めています(浜松市は策定済)。本県においてもPPP手法を最大限活用する方針を策定し、速やかに実践すべきです。
(※PPP=パブリック・プライベート・パートナーシップの略)

(2)行政経営研究会

2014年に市町の広域連携を推進するための「行政経営研究会」が設置されて4年が経過しました。この間、機関の共同設置や自治体クラウドの導入などが徐々に始まっています。しかし全県的に見ると地域差があり、連携強化を図るべき事業はたくさんあります。

地方自治法2条15項には「地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない」と書かれています。市町同士、あるいは県と市町との連携協働のこれまでの評価と今後の県の取り組みを質します。

(3)ファシリティマネジメント

県は6年前からファシリティマネジメント(資産経営)の取り組みを本格化してきましたが、私が当初から指摘している施設の総量適正化については、いっこうに進んでいません。

行政経営革新プログラムでは2021年度までの目標として、「総延べ床面積398万㎡」を「398万㎡以下にする」と書かれています。これは、やらないことも含めて目標設定しているということで、全くあきれてしまいます。

県単独での資産の最適化は、職員住宅の削減や県立学校の統廃合等ある程度限定的ですが、市町と連携した資産の最適化はまだまだ進めることができます。早急な対応を求めます。

3.ラグビーW杯2019における外国人観戦客への対応について

ラグビーW杯2019が来年開催されます。本県でも袋井市のエコパスタジアムで4試合開催され、日本代表vsアイルランド戦は大いに注目されています。さらに今年4月、県内5市が公認チームキャンプ地に選ばれるという嬉しいニュースがあり、特に浜松市はスコットランド代表と日本代表のキャンプ地になりました。

2002サッカーW杯の時、エコパで3試合行われましたが、外国人観戦客が16.7%を占めていたとされています。今回も世界各国からの観戦客の訪日が期待され、多くの外国人観戦客と県民との交流の場がもたれます。

これらは経済効果や観光情報の発信だけでなく、本県におけるグローバル人材育成等にもつながる好機です。
この国際的な大イベントが県西部で行われることを地域のレガシーとして活かしていくことについて県の対応を聞きます。

4.自動車産業の変革への対応について

現在、CASEの4つのアルファベットの頭文字であらわされる「ケース」と言われる自動車産業の技術革新が進んでいます(Cコネクティビティ、Aオートノマス、Sシェアード、Eエレクトリック)。

本年4月に県の外郭団体である「浜松地域イノベーション推進機構」に「次世代自動車センター」が設置されました。「次世代自動車センター」は、先行している埼玉県や広島県の取り組み事例も参考にしながら、人材育成や技術啓発、販路拡大など20の支援メニューを用意し、変革にチャレンジしようとする企業への支援を検討しています。

県は今後の県施策の方向性として「次世代自動車への展開」と「成長産業分野への支援」を示していますが、これらをどのように進めていこうとしているのか質します。

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