エネルギー政策の勉強
昨日6月定例会が閉会しました。知事提出議案はすべて可決成立しました。
静岡県は副知事3人制をとっていましたが、7月末を持って土屋副知事が退任し、吉林、難波両副知事の2人体制になります。土屋副知事は東部伊豆担当として、特に来年に迫ったオリンピック・パラリンピック自転車競技の開催に手腕を発揮されました。今後、知事の政策補佐官(非常勤)として、引き続き準備を進めていただきます。
さて、今日は日本最大の石炭火力発電所と今後の技術開発が期待される洋上風力発電の研究状況を調査しました。
(1)碧南火力発電所
碧南火力発電所を経営する(株)JERAは、中部電力と東京電力の火力発電部門を統合して2015年に設立された会社で、伊勢湾と東京湾を中心に26カ所の火力発電所を保有しています。
その中でも同所は出力410万kWと日本最大の石炭火力発電所で、愛知県の電力量の約半分を供給しています。ベース電源として稼働させていますが、太陽光発電のピーク時に出力を調整しています。石炭火力はLNG火力発電施設に比べ、出力調整がスピーディに行えないのが難点ということでした。熱効率は約44%で石炭火力発電施設としては高い水準です。
技術革新により、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)の排出は0.03%~0.04%にまで低減されていますが、CO2排出は日本一とのこと。また石炭灰のほとんどはセメントやコンクリートの原料などに再利用していますが、4%ほどは埋め立ての必要があり、埋立地の枯渇が大きな課題。2022年に対岸の武豊火力発電所に107万kWの石炭火力を稼働予定で、埋立地もその施設を使うそうです。
日本のエネルギー自給率は2017年で9.5%で、石炭もほぼ輸入に頼る状態。インドネシア、オーストラリアが約8割を占めているとのことでした。
(2)中電技術開発本部「電力技術研究所」
洋上風力は将来的に有望な再生可能エネルギーです。水深50m付近までは海底に設置する「着床式」と呼ばれる方式が一般的ですが、日本は遠浅の海が少ないため「浮体式」に期待がもたれているとのこと。
「浮体式」にもいくつかの構造があり、魚釣りの“浮き”のような「SPAR型」とフレームの上に風車を乗せる「セミサブ型」の実証実験がすでに行われているそうです。長崎県五島市では「SPAR型」の実証実験が行われ、その後も継続運用されているとのこと。
洋上風力は5MWが標準とされていますが、欧米ではすでに10MWの大型施設が導入されているそうです。静岡県も洋上風力発電が期待されるエリアとのことでした。