見直しなるか?「三ない運動」

2月定例会の文教警察委員会で、高校生の「三ない運動」について取り上げました。

県議会議員になって以来、本会議で3度質問し、今年度の委員会でも2度質問しましたが、やっと“半歩前進”の答弁をもらいました。

来年度、三ない運動を含めた高校生の交通安全について、学校やPTA、警察、交通安全に携わる関係者などによる協議会を開催することになりました。

会の名称を含め詳細はまだ決まっていませんが、埼玉県や三重県のように関係者による話し合いが行われることになります。

高校年代だけでなく、将来にわたる交通安全教育ができるよう、関係者の議論を深めていただきたいと思います。

私がこうした会の設置を求めた理由はいくつかあります。

大きな変化点としては、2017年8月、高P連が静岡県で行った第67回大会で「三ない運動」の進め方を見直した点があります。

2016年6月、選挙権年齢が高校生年代の18歳に引き下げられ、主権者教育を強化するようになったことも一つです。

現実的に、学校の統廃合により通学距離が遠くなり、公共交通機関の利用が不便になるケースも出ています。

「暗い夜道を自転車で走るより、バイクの方が防犯上安全」との保護者の声も聴きました。

データもあります。静岡県の特徴として「初心者事故率」の高さがあります。本県は免許取得後間もないドライバーの事故が多いのです。同様の課題を抱えていた群馬県でも高校生の安全教育を見直しました。

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私は、免許を取りたい高校生がいたときには、保護者の了解の上で取得を認めるとともに、取得者に対し安全運転教育をしっかり実施したうえで、妥当だと認められる場合には通学も認めてほしいと思っています。

「三ない運動」により高校生のバイク事故は確かに減りました。命を守ることは大切ですが、ただの先送りでは不十分です。

一番のカギは実効性のある「安全運転教育」です。

スマホを見ながら自転車に乗っている高校生は、クルマに乗ったときの「ながら運転」予備軍だと思います。

若い世代からしっかりとした交通安全教育を行うことが極めて重要です。今後さらにその点について議論していこうと思っています。

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「職業としての政治」という本があります。13年前、議員になった時に人に勧められて読みました。

今年没後100年を迎えるドイツの社会・経済・政治学の大家マックス・ヴェーバーの著書ですが、その内容は今の時代にも通用します。

「政治家にとって重要な資質は『情熱・責任感・判断力』の3つ」という言葉は、今も私の心に強く残っています。

もうひとつ忘れられない記述があります。

「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力を込めて、じわっじわっと穴をくりぬいていく作業である」

今回のテーマは「小さなこと」かもしれませんが、まさに痛感しています。

【写真は15年前の小学生を対象にした二輪車教室 私と長男】