統合報告書
「統合報告書>(Integrated Reporting)」と言ってもあまりなじみがないと思いますが、これは「財務情報」と「非財務情報」を合わせて公表する情報公開ツールです。
上場企業は「有価証券報告書」のような「投資家向け広報(IR情報=Investor Relations・・・どちらもIRと略されるのでややこしいです)」に加え、近年、「年次報告書(Annual Report)」、「CSR報告書」、「サスティナビリティ報告書」など、目的に応じていろんなディスクロジャーツールを活用するところが増えてきました。
昨日、この「統合報告書」を、地方自治体でも作成してみませんか・・・?というお話をうかがいました。
講師は、地元の常葉大学浜松キャンパス 酒井 大策 准教授。なかなか難しいお話でしたが、勉強になりました。
そもそものアプローチは、「自治体の業績(成果)は何で図るべきか?」です(みなさんも考えてみてください)。
課題はいっぱいあります。「これまで行われてきた『行政評価』で十分か?」、また「『新地方公会計』で活用が進んできた財務情報をいかに評価するか?」、「住民満足度、幸福度のような指標は・・・」。さらに「行政評価の中でも『政策』-『施策』-『事務事業』の連携をどのように評価するか・・・」など非常に複雑です。
近年、行政評価は一時期ほどのムーブメントになっていませんが、これはうまくいっていないことの裏返しかと。
静岡県は、他県に先駆けて導入した「業務棚卸表」を、数年前「施策展開表」に改善し進めてきましたが、昨年度これを止め「総合計画」の評価に一本化しました。KPIと上位施策、政策との連動性など課題だらけですが、シンプルでわかりやすい評価ツール、情報公開ツールにしていく必要があります。
財政が厳しい時代(インプットを増やすことが難しい)、「最少の経費で最大の効果(自治法2条14)」を挙げることができるよう、さらなる改善に向けて取り組んでいきます。