2月定例会 閉会

静岡県議会2月定例会が閉会しました。

1兆3094億円の令和3年度当初予算や木苗直秀教育長の再任など78議案はすべて可決成立しました。また議員発議による「事業者等を守り育てる静岡県公契約条例」を議決しました。

閉会後は人事異動が公表され、慰労や激励のあいさつラッシュ。県庁では新年度に向けた準備が一気に始まりました。

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令和3年度の事業は大きく2つです。

◆コロナ対策事業の推進

令和3年度のコロナ対策事業は3つの柱で進めます。

○最初の柱は「感染防止対策とリスクへの備え」。健康福祉部内に感染症対策局を新設し、担当部長、局長を置きます。

静岡県は感染拡大地域に挟まれながらも県民のみなさんのご協力により感染拡大をある程度抑制できています。引き続き医療体制の確保を進めるとともに、雇用確保や中小企業の事業継続支援、市町と一体で行う地域経済対策など必要な施策に取り組みます。

○2本目の柱は「フジノミクスによる経済の拡大」。山梨県や長野県、新潟県の感染状況が比較的落ち着いている中部4県で連携して新たな経済交流圏を作ります。また中小企業のデジタル化や医療健康産業への業態転換などを支援していきます。

経営管理部ICT推進局を改編し、知事直轄組織にデジタル戦略局を設置し県のDXを進めていきます。

○3本目の柱は「ふじのくにライフスタイルの創出」。コロナ禍での働き方の変化などにより東京都の人口は昨年7月以降10月を除き転出超過が続いています。静岡県は従来から移住希望者が多いこともあり、移住定住施策の強化とテレワークやワーケーションなどで首都圏からの人の流れを作っていきます。

これらのコロナ対策事業は令和3年度当初予算で538億円。2月補正予算計上分を合わせると737億円となります。令和2年度はこれまでに1250億円を投じてきましたが引き続きコロナ対策に万全を尽くします。

◆基本計画「人づくり・富づくり」の総仕上げ

平成30年度からスタートした「基本計画」が令和3年度に最終年度を迎えるため、これに掲げた8つの政策をしっかり仕上げていきます。

基本計画の政策体系は次のとおりです。

<安全・安心な地域づくり>

 ①命を守る安全な地域づくり

 ②安心して暮らせる医療・福祉の充実

<未来を担う有徳の人づくり>

 ③子どもが健やかに学び育つ社会の形成

 ④誰もが活躍できる社会の実現

<豊かな暮らしの実現>

 ⑤富をつくる産業の展開

 ⑥多彩なライフスタイルの提案

<魅力の発信と交流の拡大>

 ⑦“ふじのくに”の魅力の向上と発信

 ⑧世界の人々との交流の拡大

課題もあります。1年前、オリンピック・パラリンピックを控えた段階では、スポーツと観光が経済活性化の起爆剤の位置づけでした。ウィズコロナ・アフターコロナの中でどう地域の活性化を進めていくか、練り直しが必要です。

もうひとつの大きな課題はリニア中央新幹線です。国土交通省の専門家会議を踏まえ、JR東海との協議をどう進めていくか、川勝知事の手腕が問われます。

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・・・とはいえ、来年度の県政最大のイベントは6月の知事選挙です。

今回は知事選に向けた最後の定例会でしたが、川勝知事を含め立候補を表明した人が誰もいないという、異例の状況になりました。

議会は閉会しますが、水面下でさまざまな動きが出てくると思います。