バイクの三ない運動

明日の朝7時から、FM Haro!76.1「モーニング サテライト」に出演します。

ご自宅で、おクルマで、お聴きいただけると幸いです。

ラジオだけでなく、今はネットでも聴けます。下記リンク先からどうぞ。

★JCBAインターネットサイマルラジオ(FM Haro!/静岡県)

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今回のテーマは「バイクの三ない運動」です。

高校生の「バイクの三ない運動」は、今から40年ほど前、1982年にスタートした「免許は取らない、乗らない、買わない」という運動です。この運動の主体は、全国高等学校PTA連合会(高P連)です。

当時は現在に比べ交通事故が多く、暴走族が社会問題化し、「バイクは悪者」の印象が強かったのですが、あれから30年以上過ぎ、そのイメージも変わってきたと思います。今も違法改造のうるさいバイクが時々いますが、ごく少数です。

そんな中、高P連は2017年、静岡県で行われた全国大会で方針を大きく変更し、「自転車・バイク・歩行者のマナーアップ運動の推進」を進めるとしました。

これは大きな方針転換で、「三ない運動」は各県に任せるということです。実際に埼玉県教育委員会は、時を同じくして「三ない運動」をやめて「交通安全運動」に切り替えました。

私も、全く同感で、遠ざけて事故を無くすのではなく、交通安全教育をしっかりやった方が社会に出てからも役立つと考えています。

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しかし、静岡県では、まだ「三ない運動」が続いています。

埼玉県と違い、県教育委員会が通達などを出して「三ない運動」を進めているわけではありません。

県高P連が「三ない運動」を推進しているので、県教委はそれに合わせて、交通事故防止や非行防止の立場で「三ない運動」を基本姿勢として指導してきた・・・としています。

わかりにくい表現ですが、簡単に言えば、教育委員会としては、地域事情があるので学校に任せている、ということです。

実際、定時制高校ではバイク通学を認めていますし、全日制の高校でも公共交通機関がないところ等では、認めている学校があります(実際に通学している人は少数ですが)。

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私は県議になった10年前からずっと教育委員会にPTAと話し合ってほしいと言ってきました。

昨年度、県教委に「高校生の自動二輪車等の運転免許に関する意見交換会」を設置し、やっと2回の意見交換会が行われました。

しかし、結論から言うと、残念ながら、今のところ何の進展もありません。話し合いをしたことは一歩前進ではありますが、会議によって何かが決まったわけではなく、意見を出し合っただけに終わってしまいました。

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意見交換会の声をいくつか紹介します。

校長先生からは・・・、

「全面的にバイクの免許取得を禁止しているわけではなく、真に必要な生徒に対しては学校長の判断で許可している」

「教員、保護者の同意が得られるか、という点が非常に大きく、全ての教育活動はそういった意向を無視することはできない」

「遠距離通学が可能になる、休日の部活動等の移動を保護者に頼ることなく自力でできるなどのメリットは考えられる」

「免許取得に時間を取られれば、学業がおろそかになる懸念がある」など。

PTA会長からは、高P連としてではなく、個人的な意見として・・・、

「片道17kmを自転車で通っている生徒がいる。認めてもらえれば負担は軽くなると思う」

「休日、親の送迎の負担が減れば助かる」

「免許取得は認めるべきで、取得の判断は家庭がすべきで学校は関係ない。通学で認めるかは学校や教育委員会で判断すればよい」

「交通事故の心配、費用の問題がある。様々な機会をもって交通安全を訴えていかなければいけない」など示されました。

このほか、交通安全協会や教習所協会、業界団体からも意見を聴取しました。

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近年、高校生年代を取り巻く環境は大きく変化しています。

◆まず「18歳選挙権」、さらに来年4月からは「18歳成人」になります。

高校3年生で選挙権を得ることになり「主権者教育」が重要になっています。教育の場にも、自主性、多様性が必要ではないでしょうか。

◆高校生の自転車事故は、県内で年間1千件ほどあります。

「交通ルールを守ろう」では弱いと考えます。「交通法規を覚える」ことが大切です。

そのための一番の早道は、実は運転免許証を取ることです。

◆県教委は全日制高校生の免許取得者は把握していない、と意見交換会で述べました。

静岡県警の調べでは、R2年に原付免許を取得した16歳は225人、自動二輪免許は144人。17歳では、原付が198人、自動二輪が98人、18歳では、原付が752人、自動二輪が456人います。重複もあると思いますが合計で1873人となります。

R1年もR2より若干少ないけど同じくらいいます。

もちろん働いている人もいるので、免許取得者がすべて県立高校の生徒ではありませんが、ゼロってことはないと思います(県教育委員会の所管は県立高校なので私学については触れません)。

もし隠れて免許を取っている生徒がいるとしたら、そこは顕在化させて、安全運転教育の仕組みを作って実施する必要があると思います。

◆また社会的要因として、学校統廃合や公共交通機関の廃止・減便など通学が不便なところが増えています。

◆さらに、静岡県は「初心者事故率全国ワースト1」という不名誉な事実があります(社会に出て1年目のドライバーの事故が多いということです)。

この指標は、以前から注視していますが、本県は昨年初めてワースト1になってしまいました。

◆防犯上、暗い夜道を自転車で帰ってくるよりもバイクの方が安心できるという保護者の声もあります。

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社会の変化、交通安全、少数ではあるでしょうがバイクに乗りたいという若者の声、40年前と変わらぬ姿勢で良いのでしょうか?

保護者のみなさんや、学校関係者のみなさんの声をお聞かせいただきたいと思います。

【写真は先週土曜日「イブニングサテライト」の時のもの】