静岡県の財政状況

先週4/23(土)、約2ヵ月ぶりにFM県政報告を行いました。

静岡ブルーレヴズの試合があったのでいつもより早く16時スタートでした。

テーマは「R4当初予算」です。一部減額修正しましたが四捨五入して大雑把に1兆3644億円としてお伝えしました。

予算規模は過去最大で前年度当初予算比+550億円(これまでの最高額はH11年度)。

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「歳出」の特徴はやはりコロナ対策です。

コロナ陽性者は高止まりしており、今年度も左右されそうです。

今年度当初予算のコロナ対策費は約908億円ですが、すでに8.5億円の補正予算を追加しました。

昨年度は当初予算の段階では538億円でしたので、昨年度当初との比較では370億円増えています。

予算全体が550億円増えましたが、そのうちコロナ対策が+370億円ということになります。

昨年度当初538億円のコロナ対策は最終的には2404億円と約4倍になりました。

R2年度は1258億円だったので、R2→R3で見ても約2倍となっています。

医療体制整備として病床確保やホテルなど療養施設を確保したほか、ワクチン接種は基本的に市町が主体ですが、広域を対象にした大規模接種会場は県が設置しました。

まん延防止等重点措置や緊急事態措置の適用に伴う、感染拡大防止協力金や事業者の応援金も大きな金額です。

昨年度は緊急事態措置が42日間(8/9~9/30)、まん防が66日間出されましたが、これによる協力金などの支給額は予算ベースで約766億円となっています。営業時間短縮や酒類の提供停止の費用対効果がどうだったのかは検証が必要です。

今年度当初の908億円が、年度末にどうなっているか。コロナ対策は予断を許しません。変異株の特性を捉えた対応が求められます。

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次にお話したのは「歳入」です。過去最大の予算ですが、そのおカネはどこからきているのでしょうか?

県の歳入で最も大きなものは「県税」です。

当初予算で県税収入は4810億円となっていますが、前年度当初予算比で340億円増えると見込んでいます。

コロナ対策は主に国が負担しており国庫支出金が461億円増となっています。

しかし県負担が無いわけではなく、昨年度は123億円を県が一般財源から負担しています。123億円分の県民サービスがコロナ対応に費やされたことになります。

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県税収入や交付金が増える見込みですので、借金を減らせそうです。

県債残高はR3年度末の2兆8831億円に対し、R4年度末は2兆8438億円と393億円の減少を見込んでいます。

ちなみにこの額は、県民一人当たり約79万円となります(貯金はわずか6500円)。

県の借金には大きく分けて2種類あります。「通常債」と「臨時財政対策債」と言います。

「通常債」は道路や施設を建設する際の借金です。みなさんも家を建てる時に現金でポンと買える人ってそんなにいません。住宅ローンのようなものが「通常債」で、主に「資産の形成を伴う借金」です。

一方、「臨時財政対策債」は県民サービスに費消してしまうので資産は残りません。この制度、平成11年度にできて未だに「臨時」と言っています。

本来、国がすべき借金を県や市が肩代わりしているものです。国は「後から返す」と言っていますが、国の財政が厳しい中増え続けており、私には「空手形」に聞こえます。

いずれにしても、この「臨財債」が久々に減りそうです。発行は前年度比818億円減の320億円程度で済みそうです。

「通常債」は993億円。道路や建物を作るおカネ(投資的経費)が1934億円となっていますが、防災減災対策や老朽更新など必要なものはやらなくてはいけません。

少しでも子どもたちへのツケを減らしていければと思いますが、簡単ではありません。

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県税収入が増える見込みですが、心配なのは、ここ数年、当初予算と決算でかなり乖離が出ていることです。

R3年度は見込み額に対し325億円のプラスになりそうです。なので今年度は借金を減らせそうですが、R2年度は▲206億円、R1年度は▲120億円となっています。(3年間通算では±0ですね)。

今年度は昨年度並みを見込んでいますが、ウクライナ情勢や原油高、物価、金利動向など下振れの懸念がぬぐえません。一層の行財政改革が必要です。

詳しくは下記サイトから「県議会レポート4月号」をご覧いただければ幸いです。

★田口章オフィシャルサイト