次期県議選の選挙区と定数
来春の県議会議員選挙の定数及び選挙区が決まりました。
議員定数は現在の68に対し次回も68で、全体としては変更ありません。
ただし「沼津市選挙区」を現行の4から3に減らし、お隣の「長泉町・清水町選挙区1」を分区し、「長泉町選挙区1」、「清水町選挙区1」としました。その他の選挙区は変更なく、浜松市は現行の7区で今と同じ定数で選挙が行われます。
県議会議員の選挙区ごとの定数は公職選挙法15条で、「人口に比例して定めなければならない」とされています(人口比例の原則)。
基礎数値は5年に一度の国勢調査です。静岡県の人口2020の国勢調査では3,633,202人、前回2015は約370万人で、約67,000人減少しています。
前回の370万人を定数68で割ると議員一人当たり人口は54,416人となります。それを超える人口減ですので、定数を1減し67にしてもよい…という考えもありました。しかし定数を67にすると、公職選挙法上の規定で、浜松市天竜区を独立した選挙区にできなくなることが判明しました。
この規定は、議員一人当たり人口の半分以下の選挙区は設定できないというものです。3,633,202人で67人の議員だと、議員1人当たり人口は54,226人となります。この1/2、27,113人を下回る選挙区は設定できないのですが、天竜区の国勢調査の人口は26,726人と下回ることになります。
定数68だと一人当たり人口は53,429人で、その1/2は26715人。わずか11人ですが、かろうじて天竜区を単独で維持できることになります。
定数を67にした場合、天竜区をどこかの区と合区して選挙を行うことになりますが、どこと合区するか?・・・。できないことはありませんが、浜松市の区の再編が決まったところで、市議選は現行の7区で行われますので、住民のみなさんにご理解いただくには現行の区割りでやった方が良いだろうとの判断です。
全国的には「人口比例」を原則としつつも、地域間の均衡を考慮し、議員定数の多いところを減員し、過疎地域などを増員する都道府県もあります。
今回は大きな変更は行いませんでしたが、2027年の県議選では浜松市が新しい3区になり、人口構成も変わることから、大幅な見直しが行われることになりそうです。
今回の検討委員会では、有識者による勉強会を実施するなどしましたが、具体的な検討案は議員だけで議論しました。次回の検討にあたっては、「案の段階で第三者の意見を聴取すべき」としました。衆議院の10増10減の議論でも、当事者からはさまざまな意見が聞かれます。第三者の公平な視点での検討が必要と考えます。