静岡県のキャッシュフロー分析

先月受講したセミナー「★水道事業大量更新時代の投資計画と経営戦略の策定」の講師 鈴木文彦さんの研究がなかなか興味深いです。

氏は大和総研のコンサルタントで、財政や水道事業などにお詳しい方です。

★鈴木文彦氏の紹介ページ(大和総研のサイト)

ページ内に論文が多数あります。まだ全部読んだわけではありませんし、分析も不十分なのですが、何か活かせないかと考えています。

自治体の「キャッシュフロー分析」に関する資料をみると、浜松市は政令市中最も健全性の高い水準となっていますが、静岡県は課題が多いことがわかります。

財務省が自治体の財務状況分析に活用している指標を比較すると下記のようになります(数値は2013年度、浜松市・静岡県の順)。

◆行政経常収支率 17.2% ・ 5.6%

フローの健全性を表す指標で、企業でいうところの経常利益率になります。

浜松市は政令市トップ。平均は9.2%ですので健全経営と言えます。

一方、都道府県の平均は10.6%に対し静岡県は厳しい状況です。比較すると地方交付税に対する臨時財政対策債の比率が高い自治体ほどワリを食っていることがわかります。

国の交付税制度の見直しが必要ですが、そこで思考停止していたのではいけません。経常収入をいかに増やし、経常支出をいかに減らすか、さらなる行財政改革が不可欠です。

◆実質債務月収倍率 13.8月 ・ 38.1月

実質債務が月収の何か月分あるかを表すストック指標で、小さいほど健全です。

政令市の平均は22.3月。浜松市はさいたま市に次いで2番目に良好です。

都道府県の平均は32.5月。東京都と特殊事情がある福島県を除くと、多くの府県が30~40月に分布していますが、静岡県は悪い方です。

◆債務償還可能年数 6.7年 ・ 57.1年

融資審査で重要となるのがこの指標。返済能力や財政の持続性を表します。実質債務が経常収支の何年分あるかを表します。

浜松市は政令市中トップ。ここでも優秀です。

都道府県は経常赤字の自治体もあり、バラツキが大きいのですが、東京都の4.0年のような優良自治体がある中、50年を超える自治体は10府県しかありません。

フロー指標である経常収支を改善し、ストック指標である実質債務を減らしていくことが求められます。

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私の今年度のミッションの一つが「財政健全化条例」の検討です。単に借金を減らすとかだけでなく、さまざまな指標を分析して持続可能な静岡県づくりを考えたいと思っています。

◆参考資料(ともに鈴木文彦氏のレポート)

★自治体の「損益計算書」で稼ぐ力を見る(2015.12.1 大和総研)

★キャッシュフロー分析で見る都道府県の財政(2015.6.11 大和総研)

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