監査委員のしごと

5/20の臨時会で静岡県監査委員に選任いただきました。

この監査委員という仕事、詳しくは県のサイト(★静岡県 監査委員事務局)をご覧いただければと思いますが、ごく簡単にご紹介したいと思います。(ちなみに「監査委員会」というのはありません)

静岡県の監査委員は4人。「識見委員」2人、「議選委員」2人です。

「識見委員」は専門的な知識を持った人です。

ひとりは金融機関出身で企業経営に詳しい方。すでに8年目を迎えたベテランで、代表監査委員を務めていらっしゃいます。

もうひとりはこの4月に就任したばかりですが、3月まで「会計検査院」にいた方。いわばこの道のプロ中のプロです。早くお話を伺いたいと思っています。

「議選委員」として、私と鳥澤由克議員(裾野市・3期)を選任いただきました。任期は「議員の任期」とされていますが、本県では1年交代が慣例となっています(賛否はありますが慣例に従うつもりです)。

議選監査委員(議員から選任する監査委員)については、形式的とか専門性に欠けるなどの意見があり、H29年の自治法改正により選出しないことも可能となりました。

自治体議会によってはやめたところもあるようですが、静岡県議会では引き続き選任しています。こうした指摘を受けることの無いようにしっかり仕事をしないといけません。

では何をするのか。

簡単に言えば、みなさんが納めた税金がルールに基づいて適正に使われているか、をチェックするのが仕事です。

ここでポイントになるのが「適正」という点です。

まず、おカネや事務の「正確性」、「合規性(適法性)」が求められます。そんなの当たり前じゃんと思えますが、行政にとってあるまじきお粗末なことがたまにニュースになることがありますので、やはりチェックが欠かせません。

ただし監査は、間違いや不法行為を摘発するのがメインではなく、適正さを保証すること、が本来の仕事です。(民間企業やPTA、自治会でもそうですよね)

行政に求められるのが「3E」の視点です。

3Eは経済性(Economy)、効率性(Efficiency)、有効性(Effectiveness)の頭文字をとったもので、私はこのチェックが重要と考えています。

「行政は民間と違い利益を上げるところじゃないから、お金がかかっても仕方がない」

議員になったばかりの頃、ベテラン議員からこんなことを言われたことがありました。

「とんでもない!」

地方自治法2条14項には、「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と書いてあります。

また2条15項には、「地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない」とあります。

民間企業の経営と何ら変わりません。

必要なお金はかけなくてはいけませんが、ムダな事業や不要なコストはしっかりチェックすることが必要です。

議員として、従来からチェックしていましたが、この点を監査委員の立場で強化してみたいと思っています。

また他県で実施されている「行政監査」が本県ではあまり実施されていません。

官民連携や資産の最適化などチェックしたいことはたくさんあります。一度にあれもこれもは難しいとは思っていますが、従来からの仕事を踏襲しつつ、意見を述べていきたいと考えています。

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私には力強い仲間がいます。

写真はCIPFA JapanのLGAAT会員証。

全国に500人ほどいる地方監査会計技術者と、これまでも監査や公会計改革について意見を交わしてきました。

わずか1年の任期となるでしょうが、静岡県の全体最適と県民のみなさまのために、いろんな人からアドバイスをいただきながらしっかりと役目を果たしてまいります。