歳出・歳入の見直しに関する提言
康友知事に「令和7年度当初予算に向けた 歳出・歳入の見直しに関する提言」を提出しました。
知事には「釈迦に説法」ではありますが、知事がやろうとしている財政健全化を議会として後押ししたいと考えています。
★歳出・歳入の見直しに関する提言(PDF)
PDFデータをご覧いただければと思いますが、ポイントは5つです。
1-(1).まずは文字どおり「歳出の見直し」と「歳入の確保」の徹底です。
歳出の見直しに必要な観点は「3E・・・経済性(Economy)、効率性(Efficiency)、有効性(Effectiveness)」です。
これは監査の基本でもありますが、「経済性」は無駄はないか、安くできないか、「効率性」は他にもっと良い方法はないか、「有効性」はその事業は県の目的に合っているか、という観点でチェックすることです。
行政は往々にして、これまでやってきたことを同じようにやりがちです。時代の変化や技術革新などを踏まえ、事業の進め方も変えていく必要があります。
「歳入の確保」は、これまでもネーミングライツの導入を提言していましたが全く進んでいません。このほかふるさと納税など寄附金の活用や、民間事業者の協力など外部資金の活用(例・・・SOCIAL X)、未利用資産の売却などがあります。
1-(2).予算計上の適正化は、適正額を計上しているか?余裕を見ていないか・・・ということです。
財政に余裕はありません。しかし決算審査をやっていると当初予算額に対して執行率が極めて少ないものがあります。
本当に必要な事業か、必要だが制度が悪いのか、こうしたチェックも必要です。
1-(3).事務の効率化は、ちょっとした工夫です。
先日も私のところに、メールで済むのに角2封筒で送られてきた郵送物(会議の案内)がありました。漫然と事務をやっているとしか考えられません。意識の問題です。(当然、スグ指摘しました)
2.プロジェクト事業については、将来の種まきとして必要であることは否定しません。
一方、時間の経過とともに止めてもよいものもあります。新たにプロジェクトを進めるのであれば、既存のプロジェクトの終期を明示すべきです。
また内容によって、その事業は本当に県がやるべきものなのか・・・を考慮する必要もあります。本来、国や大学研究機関がやるような事業への助成は、財政が厳しい中、使い方はよくよく考えるべきです。
3.県債のことに触れています。
私は県債がすべて「悪」とは考えていません。家庭でも家やクルマをローンで買うように、資産形成を伴い後年度も活用できるものの県債発行はある程度やむを得ません。
「資金手当債」についても記載しました。これは資産の形成を伴わない起債を含みます。これはスジが悪いです。こうした将来世代にツケを回す財源調達は止めるべきです。
康友知事は10月に示した財政収支で「プライマリーバランス」の黒字化に触れています。簡単に言えば「新たな借金 < 返済額」であれば県債残高は減ります。
4.「中期財政計画」を作るよう求めています。
これまで県は「財政見通し」は示していました。どう違うのか?というと「見通し」は“なりゆき”、「計画」は“意思が入る”ということです。
計画を作り、意思をもって財政健全化を進めるべきです。
5.ファシリティマネジメントは私が県議になった13年前に提案しましたが、まだ全く不十分です。
公共施設等総合管理計画の削減目標は15%ですが、県の人口が2007年ピーク時の380万人から2050年には282万人に▲25%も減ることを考えると、25%くらいを目標設定しないと、納税者の財政負担は大きくなる一方です。こうしたバックキャスティング型の政策形成が必要です。
12/12に、次回の予算ヒアリングを行います。その時までにどのくらい改善案が出されるか、注目しています。