シェアリングエコノミー

先日、内閣府シェアリングエコノミー伝道師(いろんな肩書があるもんですね…)の石山アンジュ氏の講演「人口減少時代におけるシェアリングエコノミーと地方創生の可能性」を聞きました。

シェアリングエコノミー(共有経済)は、場所・乗り物・モノ・人・スキル・おカネをインターネット上のプラットホームを介して個人間でシェアしていく新たな経済の動きです。これまでのBtoC(企業から個人)のモノの動きが、CtoC(個人どうし)に拡大していく可能性があります。

世界市場は2013年の150億ドルから2025年には3350億ドルに増加するとみられています。中国ではすでに「ミールシェア(おすそ分け)」「バイクシェア(自転車)」「ラストワンマイル配送シェア」など、2016年で56兆円にも上るとされています。

このほかにも行政主導型のソウル、民間主導型のアムステルダムなどシェアリングシティは拡大しており、すでに日本は5年ほど遅れているのではないか、とのことでした。

日本国内の事例としては、わが浜松市がいち早く「シェアリングシティ宣言」を行っており、市のHPで取り組みを紹介しています。

その他、遊休施設の活用(島原城での結婚式、廃校を使ったコスプレ撮影)、民家の駐車場スペースの活用、都内レストランやカフェでの荷物預かり(外国人旅行者のサポート)、民泊、体験型ローカルツアーガイド、地域のママの子どもの預かりあい、困りごとマッチング(犬の散歩、家事、家具の組み立てetc・・・)などが進んできたとか。

これらをうまく利用すれば、1億総活躍(子育て女性、シニア、障がい者、在宅ワークなど)が可能になり、社会参画革命につながると期待されています。

また地方創生や資源の有効活用によるサスティナブル社会への期待、また商業ベースに乗らなかったニッチ市場への参画促進が進み、新たな付加価値創出にもつながる可能性があるともいいます。

民間事業者の参入も進んでおり、こうした事業者のプラットホームを活用した県民参加の仕組みを作ることはどこでも可能で、過疎地域での相互サービス提供など地域活性化にも活かせるのではないか…と思います。

県議会2月定例会では「民泊条例」が議論されます。

2020年東京オリ・パラを見すえインバウンド需要に対応するため、シェアリングエコノミーの代表格である「民泊」の活用が期待されています。私の息子も台北でAirbnbを利用し「友だち6人で3泊し、ひとり3000円だった」と言っていました。

手軽に安く泊まれるメリットがある反面、つい最近、残虐な事件の舞台になったことから利用者の安全確保が議論されそうです。また既存の旅館業者との共存や、それ以上に住民の生活環境への影響など、検討すべき内容があります。

「カーシェア」も販売台数の減少が懸念されており自動車メーカーには脅威ですし、「ライドシェア」はタクシー業界にとっての黒船です。

シェアリングエコノミーの拡大は今後避けて通れそうにありませんが、課題解決に向けた深い議論が必要です。