長野県の自治制度
今日は長野県庁を訪問。本当は昨年9月に行く予定だったのですが、台風の影響で行けず、8ヵ月越しの視察でした。
テーマは、①自治体組織のあり方、②広域連携、③政策形成能力アップの取組の3つ。
ボリュームが大きいので、今日は概要だけ書きます。
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①静岡県は知事・副知事の下に、「部-局-課-班」という組織を持っていますが、部長のほか、県理事、部長代理、部理事、局長、課長、課長補佐…など職制がわかりにくいと感じていました。
組織はシンプルな方が意思決定が早く、権限が現場に近くなると思うのですが、静岡県は逆行しているような気がしてなりません。
以前、関西学院大学大学院の石原俊彦教授から「長野県はシンプル」という話を聞いたので、状況をうかがいました。
・・・が、ちょっと驚き。昨年度まで長野県は、「部-課-係」となっていましたが、知事方針で、今年の4月から5つの部に「担当部長」を設置したとのこと。
中央リニアや県立大学、こども政策など、部門横断的な喫緊の課題への対応のため任命したようです。従来はシンプル組織の良さが出ていたとのことでしたが、評価はまだこれから…とのことでした。こうした組織変更は1年やそこらで効果が出るとも思えませんので、評価は難しいかと思います。
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②長野県には77市町村がありますが、全域で10の「広域連合」を構成しています。
市町村合併が一段落した後の行政のあり方として、広域連携が注目されており、先週、地方自治法の一部改正も行われました。
こうした中、広域連合を先進的に進めてきた長野県の実情を聞き、今後の静岡県の県と市町の全体最適化の参考にできればと考えています。
評価すべき点もありますが、課題もあるとのこと。広域連合だけでなく、定住自立圏やあらたな広域連携など、さまざまな手法を研究する必要があると感じました。
明日は、諏訪広域連合に行きますので、直接、現場の声を聞きたいと思ます。
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③長野県は昨年度からNPOや市町村職員など県職員以外も含めた政策研究をスタートしました。
北川正恭氏などをアドバイザーに招き、昨年度は33テーマ、220人、今年度は26テーマ、200人が参加して議論を戦わせているとのこと。
昨年度の33テーマのうち12項目は、今年度、実際に事業化されたということです。
これは面白い取り組みですね。今年度は民間事業者の参加も得ているようですが、人材育成と実利の両面の効果がありそうです。
いくつかの改善点もあるようですが、若い世代にさまざまな経験を積んでもらい、人材ネットワークを作ることで、今後の政策形成にも期待できます。
静岡県でも過去に「政策研究ゼミナール」ということをやっていましたが、その拡張版と言えるでしょう。
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私は自分の知りたいテーマについて、独りで視察に行くことが多いのですが、私ひとりのために時間を割いてご対応いただく職員さんにはホントに感謝しています。
今日も、自分の不勉強を恥じるばかりでしたが、県職員さんからホットな話題や取組状況について教えていただきました。
このほか、先日、川勝知事を含め長野、山梨、新潟の4県知事が会し、広域連携について話し合ったということで、その情報もいただいてきました。
山でつながった4県の県域を超えた新たな取り組みを予感させます。
【写真は善光寺。訪問前にお参りしました】