出生率2.81のまち

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岡山県奈義町は鳥取県に隣接する人口6000人弱の小さな町。陸上自衛隊の日本原駐屯地があります。(写真は樹齢900年の大公孫樹)

昭和30年のピーク時の人口は8900人でしたが、人口減少が進んでいます。平成の大合併が進む中、奈義町は平成14年、住民投票により7割の得票で単独町政を選択しました。

以降、生き残るための住民の危機感により意識改革が進んだと言います。

合計特殊出生率(出生数)は、平成17年に1.41(37人)だったものが、平成21年1.80(48人)、平成25年1.88(43人)、平成26年2.81(60人)、平成27年2.27(51人)、平成29年2.39見込(56人)。分母が小さいとはいえ、一定以上の出生数を確保しています。

この間、平成24年に「子育て応援宣言」を出しています。

平成30年度の子育て支援事業は年間1億3850億円。予算に占める割合は約3.5%とのこと。各種事業を行っていますが、中でもユニークな支援施策には下記のようなものがあります。

◆高校生を対象にした「高等学校等就学支援金(年9万円×3年間、154人対象)」

◆平成16年から導入した「出産祝金(当初は第3子10万円、現在は第1子10万円、第2子15万円、第3子20万円、第4子30万円、第5子以降40万円)」

◆在宅で育児する保護者に生後6か月から幼稚園入園前まで一人1万円を給付する「在宅育児支援手当」を平成28年度から導入

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◆若者向け賃貸住宅(3LDK 21戸)を家賃5万円で提供

制度による経済的支援に加え「なぎチャイルドホーム」の存在が大きいと感じました。

ここは親が気軽に行ける相談の場であり、友だちづくりにつながるほか、他人の子どもも含めた育児参加が行われています。さらに町民参加のしくみもあり、出生率向上を後押ししています。

小さな町ほど知恵を出している様子がうかがえます。奈義町はまち全体で子育てを応援している姿勢が感じられました。

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