台湾訪問記

静岡県議会日華友好議員連盟で台湾を視察しました。私は9年目にして初めての訪台です。多くの方が「台湾はいいところ」と評しますが、私も同感でした。

私の海外視察は民間企業が多いのですが、今回は観光交流や食農(お茶など)に関する関係強化を目的としたものでした。主な訪問先と意見交換内容を備忘録的に記載します。

(1)嘉義県(嘉義県知事 翁 章梁 氏)

・本県と嘉義県との交流は2006年浜松の中学校との交流に端を発する。

・両県には共通点がある。「お茶」、「富士山と阿里山」、「大井川鉄道と阿里山森林鉄道」、「わさび栽培」など。

・11月に開催される「世界お茶まつり」には翁知事自身の来静を予定している。

・台湾の人口は2300万人だが2050年には2000万人割れとなる見込み。

・嘉義県の農業は、日本同様、就農者の減少と高齢化に直面している。

・政策的に補助金を出して農業のプロの育成、農地拡大と機械化を進めている。

・野菜と果物は付加価値が高くグリーンハウス(温室栽培)にも力を入れている。

・嘉義のお茶は美味しく付加価値は高いが、若者のお茶離れが進んでおり、危機に直面している。

・コーヒーへの切り替えも行われている。嘉義県のコーヒーは評価が高く日本にもPRしていく。

・政府は高齢化対策として外国人労働者を導入しているが、頼りすぎるとリスクがある。現在は「弱い農業」と「屠殺」のみ導入している。

・知事になる前は日本の農業を研究していた。機械化による効率化が課題。日本は20-30年進んでおり勉強している。

(2)台湾政府交通部観光局(主任秘書 林 坤源 氏)

・今年1月から6月の台日交流は、台湾→日本が252.5万人、日本→台湾が97万人と前年比+8%となっている。

・中国大陸からの観光客が8/1から制限されたため憂慮している。日本には引き続き台湾を応援してほしい。

・静岡県からも修学旅行の協力に感謝している。

・台湾には自転車専用ルートが4000㎞ある。2021年を「自転車旅行年」とする計画でありコラボしていきたい。

・サイクルツーリズムでは4年前からフェスタを開催している。

・①KOMは3275mまでのヒルクライム、②台湾一周900kmライド、③Funライド、④東西南北の岬を回るツアー、⑤東海岸ツアー、⑥自転車カーニバルなどを開催している。

・このほか地方政府が11月に自転車イベントに取り組んでいる。特別部署を作り専用ルートを整備するほかサイクリストの安全を確保し、楽しめるようにする。

(3)台湾総統府(秘書長 陳 菊 氏)

・2012年以来、青少年、文化交流を実施している。

・同年の台風、土石流への災害支援にも感謝。

・12年間の高雄市長時代に日本と多くの交流を持った。今後も国、地方自治体の交流を守っていきたい。

・台湾総督府は今年建築100年を迎えた。日本とは歴史的に深いつながりがあり、良好な関係にある。

・自由主義、民主主義の普遍的な価値を共有している。

・台湾人が最も好きな外国は日本だ。台日間交流は、日本からの訪台者をぜひ増やしてほしい。

(森会長謝辞)

・高雄市長の時、高雄-清水のコンテナ路線の運航が始まり、高雄の水産会社が清水港に年間200億円を超える水揚げに協力してくれている。

・年間12-3万人が静岡県に泊まってくれており、台湾からは22の高校が修学旅行に来てくれている。静岡からは公立高校35校、私立高校5校が訪台。

・富士山静岡空港へのチャイナエアラインが週4便から2便に減便された。増便をお願いしたい。

・来年は東京五輪が開催され静岡県では自転車競技が開催される。台湾からも多くの人に来ていただきたい。

・台湾政府の香港政府に対する考えは理解する。台湾の民主主義を守るため頑張って欲しい。

<所感>

・台湾は国民一人当たりのオートバイ保有台数が世界一であり、ホンダの技術支援を受けた光陽工業(KIMCO)や三陽工業(SYM)、台湾山葉機車(ヤマハ発動機の子会社)、さらに台鈴工業(スズキの合弁会社)など本県との関係も深い。

・今後EV化など環境対応が求められており、新たな関係構築ができないか研究する。

・写真は台北中心部の街路。バイク駐輪スペースがたっぷりある。EVバイクはまだ少ないが、今後拡充される見込み。

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