多文化共生推進シンポジウム
合宿研修会終了後、静岡市内で行われた「ふじのくに多文化共生推進シンポジウム」に参加しました。
令和の新時代、入管法改正により多文化共生は新たなステージを迎えます。人口減少下の労働力確保という狙いがクローズアップされますが、私たちは「企業よし、外国人よし、地域よし」の多文化共生社会づくりを進める必要があります。
コーディネーターは静岡文化芸術大学の池上重弘副学長。多文化共生の第一人者であり、かつてのPTA父親ボランティア仲間でもあります。
私のブログカテゴリーに「多文化共生」があるのは池上さんとの付き合いにさかのぼります。浜松市議会の頃、池上さんを招いて、会派横断的な勉強会をやったこともありました。
当時は南米系ニューカマーとの共生社会づくりが主眼でしたが、近年はアジア系の外国人県民が増えており、新たな対応が必要とされています。
県議会でも今年度、「多文化共生推進特別委員会」を設置し、副委員長を務めることになりましたが、将来を見据えた提言を作っていきたいと思っています。
さて、シンポジウム前半は、磐田市にある平野ビニール工業株式会社 平野利直社長から、外国人労働者がイキイキと活躍している事例をご紹介いただきました。
日本人・外国人というくくりではなく、みんな「ともに働く仲間」ということで、日本語教室では日本人社員もサポートし、技能実習に必要な資格を日本人社員も受講しているとのこと。
さらに就業時間中に各国の国歌を流しているとか・・・。池上さんも「フェア」という言葉を使って評していましたが、日本人・外国人ともにモチベーションアップにつながるしくみでした。
地域とのつながりも後押ししているようです。こうした企業の対応は、「地域よし」のヒントになります。
後半は外国にルーツを持つ3人の若者によるトークセッション。それぞれの苦労話や今の活躍に至るヒストリーをうかがいました。
鈴与で働く 宮城ユキミ さんは、数年前、静岡文化芸術大の卒業式で、卒業生代表として思いを語っていたのを覚えています。苦労しながら公立の小中高校に学び、今や日本とブラジルの懸け橋としての仕事に従事するに至っています。
スズキで働く エーニン プィンアゥン さんは、ヤンゴンの大学を卒業後、静岡でアルバイトをしながら日本語を学び、静岡大学情報学部大学院を卒業し、やはりミャンマーと日本の懸け橋になることを夢見て働いています。寒い冬の雨の夜の辛い思いを語ってくれました。
平野ビニール工業で働く 小川アンドレ優治 さんはブラジル人学校で高校過程まで学びアルバイト生活を経て、今の仕事に就いたとのこと。就職までの苦労話とともに、現在は地域に溶け込んで生活している様子をお話しいただきました。
さまざまな人との出会いを経て、今に至っている様子がうかがえました。ちょっとした“ふれあい”がカギ。そんな後押しができる県民(外国人も含めて)が増えるとイイですね。