静岡県は借金のメドとして「通常債(臨時財政対策債や病院債、他会計の県債を除く)の上限を2兆円」としています。

確かに、この「通常債」は平成22年度末の1兆9264億円から、平成23年度末には1兆8704億円に削減される見込みとなっています。

しかし、臨時財政対策債・病院債を加えた一般会計の県債残高は、22年度末の2兆4850億円から、23年度末は2兆5369億円に増える見込みとなっています。

また、浜松市は民間企業でいう「連結ベース」で財政をチェックしていますが、これと同じ指標「総会計(=一般会計+特別会計+企業会計)」でみると、総県債残高は平成22年度末見込みで2兆6775億円となっており、静岡県の財政運営はかなり厳しい状態といえます。

加えて指摘すると、平成21年度決算の連結負債総額は、3兆3951億円、さらに「将来世代負担比率」という指標は、静岡県は平成20年度で49.9%となっており、浜松市の13.3%に比べ、子どもへのツケが非常に多くなっています。
特別会計や企業会計、外郭団体の経営リスクや、民間企業の会計手法を取り入れた「公会計改革」は、浜松市議会でしっかり調査研究してきました。
これらの経験を活かし、静岡県の「財政改革」を進めていきます。

1.「子どもにツケをまわさない」を基本姿勢に、財政健全化を進めます

(1)総会計ベースで財政健全化を進めます

「通常債」は県債の一部を表わしたものにすぎません。
「臨財債」などを、後年度交付税措置されるという理由で除いて算出するのは、破綻寸前の国家財政を考えると、適切なリスク管理とはいえません。
「借金」はどんなものであれ「借金」に違いありません。一般会計だけでなく、特別会計や企業会計の借金も、その内容をしっかり調査し、事業の適正性をチェックします。

(2)外郭団体をチェックします

連結負債総額が大きな数字になっています。
県債以外に外郭団体等の損失補償などをおこなっていると考えられます。外郭団体や3公社、第3セクターの経営内容を調査し、「隠れ借金」を明らかにします。

2.公会計改革の手法を活かし、徹底した決算主義でムダをなくします

(1)「予算主義」から「決算主義」へ発想を転換します

地方自治法2条14には「地方公共団体は・・・最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と書いてあります。
よく「行政と民間は違う」との声を聞きますが、費用対効果の追求という視点は同じです。
行政と民間の大きな違いに「予算」「決算」の考え方があります。獲得した予算を使い切るという考え方から、事業の成果や費用対効果を検証し、翌年度の事業改善につなげるしくみをつくります。

(2)資産経営(ファシリティマネジメント)を推進します

平成21年度の連結貸借対照表を見ると、県の資産総額は4兆9071億円となっています。これらの中には高度成長期に造られ、改修時期を迎えているものが多数あるはずです。
まずは保有資産の状況を明らかにし、長寿命化や計画的な改修、統廃合など、経営的視点で県有施設の最適化を進めます。

(3)行政コストを把握しムダな事業を見直します

事業別、施設別の行政コスト計算書の作成を進め、事業や施設の効率化を進めます。同時に市町との二重行政をチェックします。

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