「そばカフェ」と「ノマド村」
委員会視察3日目。兵庫県の淡路島を訪問し、①「そばカフェ生田村」と②「ノマド村」を訪問しました。
①「そばカフェ生田村」は、平成20年に廃園になった旧生田保育園を活用して整備した「地域交流広場」と同時に設置された施設。生田地域活性協議会が運営しています。
生田地区は140世帯、400人の小さな里。10年前からソバ栽培を始めるなど地域おこしに取り組んでいます。そばカフェには年間1万人が訪れるといいます。地域資源を最大限活用して、地域住民自らガンバっている施設です。
今回は、そもそも「あわじ環境未来島構想」を調査する目的でしたが、兵庫県淡路県民局がこの場所を選定してくれました。
同構想は、「エネルギー」と「農と食」、そして「島民のくらし」を持続させることを目標に、平成23年に総合特区申請して進められてきました。中でもココがしっかりやっているということでしょう。
2050年のエネルギー自給率目標を100%に設定するなど、サスティナビリティに積極的に取り組んでいます。道路が狭く高齢者が増える中、超小型モビリティを使ったEV利用促進事業も行われています。
淡路島の人口は13.6万人ですが、島民が自らの未来をみすえ取り組んでいるようです。
②淡路市長澤にある「ノマド村」は廃校を利用した施設。ここは平成21年、「アーティスト・イン・レジデンス」としてスタートし、今も木工作品に取り組む芸術家がいます。
一方、島の地域資源を活かした事業サポートや起業支援、商品開発に取り組む「淡路はたらくカタチ研究島」の拠点としても活用されてきました。
この事業が昨年度で終了し、今年度からそれを引き継ぐカタチで立ち上がったのが「ハタラボ島協同組合」です。ここではこれからの“はたらく”を創造しています。
今日は「はたらくカタチ研究島」から携わっている富田祐介さんから取り組みをうかがいました。研修により人財育成を進め、片方で仕事を起こし、雇用につなげるという活動をしています。
ある意味昨日の神山町と似ているともいえます。
これからの地方創生は、ストレートに地域活性化や6次産業化を進めるのでなく、時間はかかっても地域全体で取り組む体制を作り、「仕事」を起こし、持続可能な地域社会をめざす必要がありそうです。問題はプレイヤーですね。
また「アート」という切り口も似ていました。「コミュニティ・デザイン」という考え方が重要になっています。文芸大の「デザイン」でも取り上げないかな…。