簿記取得がもたらす業務改善の道

Kikuchi昨日、兵庫県尼崎市で行われた「Cipfa Japan 第16回CPEセミナー」へ参加しました。

Cipfa Japan は行政経営の改善に取り組む団体です。

★Cipfa Japan

CPEは「Continuing Professional Education」の略で、私も「地方監査会計技能士」の一人として時々参加しています。

この日の講師は、岩手中部水道企業団の菊池 明敏 局長。岩手中部水道企業団は、私がここ数年取り組んでいる水道事業広域化のモデルであり、菊池局長はまさにその推進の中心人物です。

氏からは・・・

○カイゼンは組織風土改革につながる。さらにES(職員満足度)向上と人材育成にもなる。これがその先にあるCS(お客様満足度)の向上につながる。

○カイゼンの手段として簿記活用が必要。
財務諸表を読み(財務会計)、財務諸表の裏にあるものを読む(管理会計)。単式簿記から脱却しフルコスト感覚、経営感覚を身につける。(おかしな財務内容を見逃さない経営感覚)

○上下水道事業の将来は、人口減少や節水技術の向上により非常に厳しい。さらに構築してきた資産の維持に莫大な経費が必要となる。右肩上がり時代の拡大投資を見直し、ダウンサイジングシフトする。

○岩手中部水道企業団は3市町による全国初の水道事業広域垂直統合(H26.4.1)。その成果は、「施設統廃合を進めダウンサイジングによる将来投資の削減」「簿記講座の開催(72人中20人取得)」「資金運用」「料金業務包括委託により収納率99.9%」などの経営改革の推進に表れているほか、 人材育成による事業継続性も確保している。

・・・など伺いました。

静岡県内市町の上下水道事業は厳しい経営環境にありながら、不都合な真実や目の前にある危機に目をつぶり、事業の抜本改革を先送りしていると感じています。

9月定例会の一般質問で水道については、管路更新率や人材確保など直面する課題を提起しました。

あとはやる気のある人材がでてくるかどうか。そのためにこれまでも取り組んできた「カイゼンマインドの醸成」や「民間会計手法の活用」を進めていこうと思います。

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