山鳥毛
CIPFA Japan西日本支部が主催したセミナーに参加しました。CIPFA Japanは イギリスに本部を持つ「英国勅許公共財務会計協会」の日本支部で500人を超えるメンバーがいます。今日は連休中ですが、自治体議員をはじめ自治体職員、大学教授など地方監査会計技術者25人が参加し、スキルアップを図りました。
講演① -決算書より経営を読む-
講師の山本氏はSPLENDID21という経営分析を専門とする企業経営者で、関西学院大学専門職大学院講師。
民間企業の財務諸表による経営分析の手法について企業の事例を参考に学び、公会計の課題や見方について意見交換しました。
ポイントは時系列での分析、さらに健全財政に向けた先行指標の活用ですね。民間企業の財務指標は、これまでのデータ蓄積により分析できますが、公会計はまだそこまでの蓄積がなく、今後、統一基準による財務諸表の活用が求められます。他県比較を行うところからスタートし、データの蓄積をしていくことが重要と感じました。
講演② -瀬戸内市のガバナンス-
講師は武久顕也瀬戸内市長。
瀬戸内市は日本で初めて「監査委員事務局の共同設置」を実施しています。他の自治体の視点でみるとさまざまな気付きがあるとのこと。また内部統制の強化のため「内部監査室」も設置したとのことでした。
行政評価システムは事後評価をやめ、300万円以上の事業の事前評価のみに簡素化したとのこと。その代わりに「部長の年度目標」をHPで公表し、それに関し進捗評価しています。また「月次報告指標」を設定し、各部局から報告を受けています。民間企業の経営会議のようなものですが、行政は財務指標だけでなく、非財務指標が重要とのことでした。
スピーディな行政判断と定量管理は非常にユニークです。本県のしくみについても再チェックしていきます。
タイトルの「山鳥毛(やまとりげ<通称>さんちょうもう)」は、国宝の名刀で上杉謙信の愛刀と言われています。
これを産地である備前長船(現 瀬戸内市)に里帰りさせようと市が購入を進めています。
税金で購入するのでなく、ふるさと納税(個人版、企業版)やクラウドファンディングで財源を調達しようとしています(なかなかご苦労されているようですが…)。
返礼品競争など批判的な意見が多いふるさと納税制度ですが、目的を明示したものは、ふるさとに限らず目的応援型のガバメントクラウドファンディングとして今後も活用が進むと思います。
4年前、クラウドファンディングについて財源確保として取り組んではどうかと質問をしました。当時はまだ「ガバメントクラウドファンディング」という言葉は聞いていませんでしたが、今や全国で進んでいます。静岡県でも活用すべきです。
山鳥毛についてはぜひ関連サイトをご覧ください。
★山鳥毛里帰りプロジェクト