令和3年度決算見込み
参議院選挙が終わり、徐々に平常に戻りつつあります。なかなか厳しい闘いでした・・・。
少し前の話ですが、令和3年度の決算見込みが公表されました。歳入歳出とも過去最大となっています。
◆歳入は1兆5067億円。
大きなウエイトを占める県税収入は4874億円。令和2年度が4568億円だったので前年度比306億円の増収になっています。
令和3年度当初予算では、コロナ禍等の影響で4470億円と厳しく見積もっていましたが、当初予算比では400億円の増となりました。
大きな要因は輸出関連製造業の収益回復です。法人二税(法人事業税・法人県民税)が178億円の大幅増となりました。
個人県民税は22億円増。コロナ禍で給与所得などに応じた部分(所得割、均等割)が25億円減少した一方、配当割・株式等譲渡所得割が48億円増加しました。これは企業の配当金の増、株価上昇、株取引の活発化などによるものです。
また、地方消費税は84億円増となっています。
消費税は令和元年10月に10%に引き上げられました。10%のうち2.2%は地方消費税という地方財源です(軽減税率8%の場合1.76%)。令和2年度は12ヵ月分が反映されていませんでしたが、令和3年度は12ヵ月分が反映されたため増えました。
また地方消費税には「貨物割」という部分があり、これが原材料輸入価格の高騰などで増えているようです。
税収で社会の動きがわかります。詳細は10月末からの決算特別委員会でチェックします。
◆歳出は約1兆4854億円。
経費節減などに努めた結果、実質収支は約54億円となりました。
内容は公表されていませんので、これも決算特別委員会でチェックします。
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今回の公表資料で「おや・・・」と思ったのが、県のHPの表現の違いです。
①が今回、②が前年公表資料です。本文は下記のとおりです。
①令和3年度静岡県一般会計決算は、県税収入額が最終予算額に対し、79億円程度上回って確保することができたことや、経費節減等を行った結果、実質収支は54億円程度となる見込です。
②令和2年度静岡県一般会計決算は、県税収入額が最終予算額に対し51億円程度上回って確保することができたことや、経費節減及び歳入確保の努力を行った結果、実質収支は37億円程度の黒字となる見込です。
下線部が削除されています。
以前から指摘していますが、自治体の歳入には、税収のような基本的な収入のほか、起債(借金)も含まれています。
①の内容はまだ公表されていませんが、②では2167億円の起債があります。もちろん返済分も歳出で計上していますが、借入超過で借金の残高は増えています。
借金を増やしておきながら「黒字」はないよ・・・と思っていましたが、今年度は「黒字」表記をやめたようです。私は、単なる「収支残」だと考えていましたが、県の担当者も意識してくれたのかな・・・と思いました。
財政は厳しく見ていく必要があります。