県議になって早いもので11年が経過しました。この間の活動を振り返って、一部をご紹介いたします。これらを検証して今後の新たな活動につなげてまいります。
行財政改革の推進
私が最も力を入れてきたのは行財政改革です。人口減少社会の中将来に備えた行政システムの最適化は、今やらねばなりません。
県議になった11年前は、市議時代の経験を活かし「民間の目線で行政のムダをなくす」ことを中心に取り組んできました。
これに加え、県議になって新たに分かったことは、広域行政を担う県においては市町と連携した“全体最適”が重要だということです。
またこれから将来にわたって、官がすべての行政サービスを税金を財源に提供することは困難であり、官民連携や自治体間連携を積極的に進めてきました。
Ⅰ 財政健全化
○新公会計制度の活用推進
公会計改革を導入段階から活用段階に進めました。資産と負債(ストック)の把握を進めるとともに、行政コストを意識した財政運営を導入し、ムダな事業を見直す「ビルド・アンド・スクラップ」の考え方を導入しました。引き続き意識改革に努めます。
★静岡県の財務諸表(★印の項目をクリックすると関係するサイトが表示されます)
○資産経営(ファシリティ・マネジメント)の推進
資産の把握を進め全体最適化を図るため「公共施設等総合管理計画」を策定し、「個別施設計画」で保有施設最適化を促進しました。まだ十分ではありませんが、やっと市町を巻き込んだ動きが進んできました。
○資金手当債の発行停止
細かいことですが、安易な借金をさせないためのチェックも議員の役目と考えています。財政の健全化を進めるため、退職手当債や行政改革推進債など資産の形成を伴わない起債(国の赤字国債のようなもの)の発行を止めさせました。(財政が厳しい中、令和4年度2月補正予算で計上していたため本会議代表質問で改めてクギを刺しました)
臨時財政対策債を含む「県債残高」は引き続き増加しています(県債残高の推移は下記の議会レポートからご覧いただけます)。財政当局は「臨時財政対策債は後年度交付税措置されることから問題ない」としていますが、借金は借金です。地方交付税の財源が増えない中、臨財債分を反映したとしても総額が増えることはありません。これからも厳しくチェックしていきます。
Ⅱ 行政改革
○行政経営研究会の設置および自治体間連携の推進
県の全体最適を見据え、自治体の枠を超えた行政サービス提供体制の検討を提言し、行政経営研究会を設置しました。このプラットフォームを活用し様々な分野で県市町の連携を進めています。
○官民連携の推進
富士山静岡空港へのコンセッション方式の導入や県営団地などへのPFIの導入などPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)を踏まえた官民連携手法の導入を進めてきました。またこれまで県はこうした民間活用方針を整備していませんでしたがルール化しました。
○分権改革と権限移譲の最適化
権限移譲の実態調査を実施し移譲事務の見直しを提言しました(指導いただいた大学教授から「日本初ではないか」とのコメントをいただきました)。補完性の原則に基づき権限はできるだけ身近にあるべきと考えますが、最適化が必要です。これからも行政サービス提供体制の適正化を進めます。
○民間型採用制度の導入
多様な行政職員を育成するため新たな募集枠(行政Ⅱ)を導入しました。公務員志向の学生だけでなくチャレンジングな若者の採用を進めています。
ユニバーサル社会づくり
最近の言葉だと「ダイバーシティの推進」と言い換えても良いかもしれません。年齢や性別、障がいの有無、国籍を問わず、誰もが暮らしやすい社会を創ることは私の基本的な政策目標です。
初めて立候補したとき、ある視覚障がい者の方に言われました。「私は不幸ではない。不自由なだけだ。この不自由さの解消を手伝ってほしい」。
この言葉を忘れず、一人一人のQOL(クオリティ オブ ライフ)を高める施策を推進します。
Ⅰ 心のUDの推進
○ゆずりあい駐車場の導入
県議2年目に佐賀県の事例を知り、県内でも一部地域で試行されていたことから全県での導入を提案しました。今では公共施設やスーパーでは当たり前になりました。
○授産製品(ふじのくに福産品)の利活用促進
私は点字入り名刺を使っているほか、名刺入れやハンカチ、バッグなども授産製品を愛用しています。こうしたことで障がい者施設で働く方々を支援することができます。みなさまもぜひご利用ください。
Ⅱ 多文化共生社会の推進
○外国人児童生徒への日本語学習支援制度
○外国人生徒(中学・外国人学校)の高校受験機会の拡大
○外国人生徒(高校・外国人学校)のキャリア教育の推進
○外国人留学生の就労支援
議員になる前の職場には多くの日系人が働いていました。“働く仲間”を支えたい…との思いで、浜松市議の頃から多文化共生社会の実現に積極的に取り組んできました。人口減少社会を迎える中、静岡県の特徴を活かして地域活性化を進めるためには、外国人材がこれまで以上に活躍できる社会を創ることが重要です。そう考え言葉、教育、就労支援の取り組みを進めてきました。多国籍化が進む中、新たな課題も出てきています。これからも現場の声を政策につなげていきます。
元気な静岡県づくり
私のスローガンは「創ろう!元気な静岡県」です。元気な静岡県を創るには、財源の確保=税収確保が欠かせません。
県税の根幹は法人二税と個人県民税です。これらを拡充するには産業政策の充実と県民所得の拡大が必要です。
製造業で働く者の一人として現場の声をスピーディに反映してきました。
Ⅰ 産業政策
○海外進出企業の支援
グローバル化の中、東南アジアなどに進出している企業のみなさまの声を聴き、サポートデスクの設置や留学生の採用支援などを進めました。この10年で企業ニーズも大きく変わり、支援メニューも変化しています。タイムリーに対応します。
○企業誘致体制の構築
11年前、県は年間100社の企業誘致を目標にしていましたが、目標達成のためのツールは十分ではありませんでした。
他県の事例を調査し、営業マンの確保やカタログ整備などを提案しました。現在はヒト・モノ・カネ・情報などの体制が整備され、都道府県別ではトップクラスの企業立地件数を維持しています。
○次世代自動車への転換に向けた中小企業支援
○カーボンニュートラル対応
100年に一度の変革期でCASE対応が求められる中、次世代自動車センター浜松の設置や支援制度の充実、工業技術支援センターの機器整備などに取り組んできました。また2050年までのカーボンニュートラル対応が必要となる中、中小企業支援策を進めています。
Ⅱ 移住・定住政策の推進
○静岡県移住相談センターの開設
静岡県は移住人気ランキングNO1となっています。センター開設のきっかけは偶然の視察だったかも・・・。
その他の政策
Ⅰ 県政課題への対応(会派としての取組)
○新型コロナウイルス感染症対策
○熱海市土石流災害対策
○物価高騰対策
○ダイバーシティ推進
ここ数年は会派役員(幹事長・政調会長)を務めていることから会派役員としての活動が増えています。
とりわけこの2年半は県民のみなさまから寄せられた声を聴きコロナ対策等に取り組んできました。
Ⅱ 地元課題への対応
○遠州灘海浜公園(篠原地区)野球場の整備促進
○堀留川の治水対策
○佐鳴湖の環境保全
○浜名湖を活かした地域活性化
○浜松市沿岸域の津波対策
○交通安全対策
地元のみなさんからの要望にもお応えしています。安全・安心の確保や地域活性化への取り組みなどに引き続き取り組んでいきます。