酪農改革(視察報告⑤)

8/9、西区白洲町にある「浜名酪農業協同組合 TMRセンター」を視察しました。

この施設は私が市議をやっていた2009年に開設され、当時から先進的な施設との話は聞いていましたが、今回初めて訪問しました。

TMRはTotal Mixed Rationsの略。粗飼料や配合飼料、ミネラル、ビタミンを混ぜ合わせた混合飼料です。設置目的は、安価な混合飼料を安定供給することで酪農経営を安定化させることです。乳牛のための「学校給食センター」とおっしゃっていましたが、そう言えばわかりやすいですね。

アメリカなどから輸入した干し草に、ビール粕やおからをはじめとした食品残渣を混合しています。残渣と言っても食べ残しではなく、製造過程で出るもので、訪問した時にはパイナップルジュースや焼酎、県内で出されたお茶殻やミカンなども配合していました。いわゆる「サーキュラーエコノミー(循環経済)」を実践されています。これからの産業を考えるにあたってはこうした側面も重要です。

浜名酪農は酪農専門の農協です。組合長さんは「酪農を家族で継承していく時代は終わった。大規模化が進み雇用を含め経営能力が必要となったから」と言います。実際に掛川市で大規模酪農場を経営しているほか、年内に県内最大規模の乳牛1000頭を持つ牧場を湖西市で稼働させる予定とのことでした。

ウクライナ問題で輸入飼料の高騰が進む中、国内自給率を高めるほか低コスト化を進めることは、酪農家への大きな支援になります。チャレンジする事業者を支援することは、商工業だけでなく農業分野でも同じですね。