公務員の人事制度改革

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昨日、今日の二日間、浜松市議会の先輩議員に勧められて、公務員の人事制度に関する研修会に行きました。

人事処遇制度は民間企業で長くかかわってきたので関心がありますが、話が細かいので議会ではあまり取り上げてきませんでした(担当者とはずいぶん議論していますが)。

組織の根幹は「人」ですので、とても重要なことです。今年度は「総務委員会」に所属しますのでしっかり議論したいと思います。

民間の制度がそのまま通用するわけではないかもしれませんが、公務員の人事制度には改善すべき点が多々あります。以下、研修内容を簡単に報告します。

◆公務員の職場環境と人事制度

社会環境が大きく変化している中、公務員制度改革は進んでいない。「内向きでリスクを取らない」では社会は変わらない。

「社会の複雑化や変化への対応(=広い視野を持っていない)」、「専門性」、「マネジメント能力」などが不足している。

採用では民間経験者など中途採用を増やす自治体が増えてきているが(大阪府は新卒:中途が半々とのこと!)、育成システムも変えないといけない。筆記試験をなくすのは間口が広がる点は評価できる(課題もあるようですが…)。

昇格試験は「行政法」ではなく、「大局的な政策」や「経営的な考え方」などをテーマにすべきではないか。

◆給料は給料表で決まっている

号俸の多さ(静岡県は125号まで)や人事評価に関係なく号俸が上がることなど民間との違いがある。

諸手当や人事委員会勧告も検証の要あり。(この点は「浜松市行革審」からもすでに指摘アリ…余談ですが、「行革審」が改編されて、こういう鋭い指摘ができるんでしょうか?本来は議会がすべきことだとは思いますが…)

今回PCを持ち込んでいたので、県の「職員の給与に関する条例」「級別職務区分表」「管理職手当に関する規則」など(恥ずかしながら)初めて見ました。改善すべき点がありそうです。

◆人事評価と給与への反映

人事評価は人材育成への活用は多くの自治体で行われているが、その他の運用で課題が多い。

まず行政経営との連動。総合計画を職員にブレイクダウンして日々の職務と連動させることは生産性向上に必要だが導入されていない。

昇格や異動、昇給、賞与への活用もほとんどなされていない。

この点については豊田市、大阪市、大阪府、東京都など先進自治体の事例を聞きましたので、今後の参考にしたいと思います。

また給与への反映は、評価制度の形骸化や職員のモラルハザードへの効果はあるが、仕事へのインセンティブにはあまり寄与しないとのこと。これは反映度の低さ(格差が小さい)にもよりますが、さらに検討が必要と感じました。

民間目線を忘れず改善を進めていきます。