0歳児保育にかかる行政コスト

昨日の午前中は決算特別委員会が行われ、委員会として決算認定を決定しました。

閉会後、東京で行われたセミナーに直行。二日間にわたる研修を受講しました。

講師は親しくさせていただいている、関西学院大学専門職大学院の石原俊彦教授。教授の話は何度聞いても新たな発見があり参考になります。

今日も面白い資料をいただきました。

それが「千代田区財政白書」。平成13年、今から13年前に出された財務諸表などを含んだ財政報告書です。

行政コスト計算は今でも使えそうです。

たとえば「保育園のコストと受益者負担」。H11年度と12年度の総経費と保育料収入を計算し、年間の園児一人当たりコストを算出しています。

H12の0歳児1人あたり年間コストは約678万円、3-5歳児は約138万円などとしています。

対する保育料は、0歳児の平均で約23.2万円、3歳児で3.7万円ということで、受益と負担を見える化しています。

もちろん、保育園運営の総コストには、人件費のような必要経費のほかにムダな経費もあるかもしれません。しかしこのデータは受益と負担のあり方を考えさせられます。

さらに、モデル世帯ごとの受益(通常の区民サービス)と負担(税)についても分析しています。世帯によってずいぶん違うことがわかります。

独身の若者は受益に比べて負担が大きいこと、子育て世代は受益が大きいこと(それでも生活負担は大きいのですが…)、それよりもさらに高齢者世帯は受益が大きいこと、などがわかります。

静岡県内の保育コストについては、手元ではわかりませんが、行政コスト計算の活用事例のひとつとして各事業の受益と負担のバランスのあり方を考えてみたいと思います。