9月補正予算の概要

今日の議会運営委員会で9月定例会の議案が公表されました。

補正予算案は一般会計+特別会計の合計で約22億円と補正額としては少なめです。

★補正予算案(県のサイトPDF)

大きなものとしては、2月の大雪で被害を受けた農業施設の撤去・再建・修繕などの助成金約16億円があります。あらためて被害の大きさがうかがえます。

また、焼津市の大崩海岸の地滑りにより通行不能となっている県道の復旧対策として、新たにトンネルを整備するための予算17億円強を“債務負担行為(=後年度の継続事業)”として設定します(債務負担行為は予算には計上されませんが、将来の支出を既成事実化するものです)。

議論を呼びそうなものもあります。

◆まず富士山静岡空港に隣接した「新幹線新駅」を実現するための調査費用800万円です。

JR東海は“取り付く島もない”状況ですが、議論がどう進むか、ご注目いただければと思います。この件については、わが会派「ふじのくに県議団」では会派内に研究会を設置することにしています。

◆次に1.8億円の損害補償です。

これは大井川広域水道企業団への国庫補助金が、県職員の不適正手続きで交付されなかったことによるもので、交付されるはずだった国庫補助金の穴埋めとして、当該職員が1割を負担し、9割を一般財源で負担するというものです。

一般財源は県民のみなさまの税金も含まれます。税金の使途として適切なのか、また今後どうしていくのか、議論が求められていると思います。

◆その他、盛会裏に終わった「浜名湖花博2014」の剰余金約2億円を基金に積み増すこと、「2016年サミット」誘致に向けた予算300万円などが計上されています。

◆また施設整備などに「労務単価上昇による工事費追加」というものがあります。震災復興の他、2020東京五輪関連事業などで、建設コストが徐々に上昇していることがうかがえます。

補正予算は、たとえば東日本大震災後の緊急対応など、当初予算で措置できなかった事業を実施するための予算ですので、金額的にみれば、今年度は比較的順調に事業を実施しているとも言えます。

個人的には、「人口減少対策や産業再生対策などを早急に対応すべき」と思っていましたが、補正予算措置はありませんでした。「当初予算の中で粛々とやる」ということのようですが、当局の危機感の欠如を感じます。

現場の声を伝えます。