基本構想の公表(遠州灘海浜公園篠原地区)

Shinohara

2月議会で大きな議論となった「遠州灘海浜公園の基本計画」。当時も議論となった「基本構想」がやっと固まり、本日、公表されました。

★遠州灘海浜公園基本構想

パブリックコメントを募集していた時の「基本構想(案)」と比較すると、資料5.2.5で「遠州灘海浜公園(篠原地区)に野球場を“導入”」としていたのが、「野球場を“導入するのが望ましい”」と修正されています。

まさに今、“ボール”は浜松市にありますので、浜松市がどう投げ返してくるか(合意形成するか)にかかってきたといえます。

基本構想からいくつかのポイントを抜粋します。

◆資料4.2「公園をとりまく背景と課題」には次のように書かれています。

○現在進められている「浜松市沿岸域防潮堤整備」により生まれ変わった安全安心な公園未利用地を活用し「沿岸・都市部のリノベーション」のモデル事業として発信する必要性がある。

○「浜松市緑の基本計画」において、既存施設の浜松市総合水泳場(ToBiO)を中心としたスポーツやレクリエーションや、防風林と一体になった海辺の拠点として整備・充実する地区と位置づけられている。

○防潮堤は、3つの拠点(篠原地区・中田島地区・天竜川河口地区)をつなぎ、眺望豊かな天空回廊として、多くの利用者が集う空間が生まれる。

○砂丘海岸と海岸防災林から構成される勇壮な遠州灘の景観を維持するとともに、防潮堤天端(てんば)をロングトレイルとして活用する工夫が必要である。

防潮堤建設時、私は多くの市民から言われました。「どうせ造るなら生命を守るだけじゃなく、世間の耳目を集めるような防潮堤を造ってほしい」。この基本構想はそういう視点で防潮堤を見ています。

これらを踏まえ、4.3「各拠点の方向性」では、篠原地区について、「防災・スポーツエリアとして導入施設の検討を行う」としています。

◆資料5.3「導入が望ましい公園施設の設定」では、野球場の他に、「屋内運動場、グラウンドゴルフ場、アスレチック広場、(バーベキューなどができる)デイキャンプ場、マラソンコース・サイクリングコースの発着所、オープンカフェ・レストハウス、スポーツ・学習交流館」などさまざまな機能を持たせることを提起しています。

◆資料5.4「導入が望ましい防災機能の設定」では、「平時」には野球場のスタンドや階段下のデッドスペースを活用した「啓発コーナー」や「備蓄倉庫」、「発災直後」は公園利用者や近隣通過車両の避難やドクターヘリの離着陸場としての活用を、さらに「応急活動開始後」は、浜松市の物資集積所、警察・消防・自衛隊・ボランティアの支援活動拠点候補地、震災ガレキの一時的受入、国道1号線放置車両の受入などを想定しています。

◆資料5.6「概算事業費」は、野球場150~180億円のほか、広場や緑地、スポーツ・学習交流館、屋内運動場の整備などトータルで210~250億円ほどを見込んでいます。あわせて質の高いサービスを最少の経費で提供できるよう官民連携の取り組みを進めるとしています。

◆資料6は参考資料ですが、千葉マリンスタジアムや甲子園(神戸地方気象台)との風の比較、草薙球場や浜松球場などとの比較が記載されています。

個人的には、①いずれ老朽更新が必要となる浜松球場に変わって、篠原の野球場が、県西部の子どもたちに夢や希望を与えるためプロ野球観戦の機会を増やすことや、高校球児が甲子園出場をめざす後押しになれば・・・と思いますし、②西部地域の活性化に資する施設としてだけでなく、高台移転や土地の売買不振にあえぐ沿岸域のリノベーション拠点になればと思います。

財政が厳しい折、不要論もありましょうが、PFIやPPPの事例を研究し、こうした手法を活用して県民負担をできるだけ抑制して公園整備ができるよう考えたいと思っています。

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