富士山静岡空港 経営改革の道

Mfaap

今週6/4に開港7周年を迎える富士山静岡空港。昨年の利用者は当面の目標だった約70万人に近づき、大きな変革期を迎えています。

そんな中、ちょっと古新聞になってしましましたが、5/19(木)から、富士山静岡空港の公共施設等運営権制度導入に係るマーケットサウンディング(民間事業者意見の募集)が行われています。

★マーケットサウンディングの実施について (富士山静岡空港のサイト)

何のこと・・・?、という人もいるでしょうが、富士山静岡空港の経営改革の一環です。

富士山静岡空港は、全国にある本格的な県管理空港としては初めて「公共施設等運営権制度」による経営改革に取り組んでおり、早ければ2019年度からの導入をめざしています。

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「公共施設等運営権制度」による空港経営改革は、民間空港としては「関西国際空港」および「大阪国際(伊丹)空港」、国管理空港としては「仙台空港」「高松空港」、地方管理空港としては「コウノトリ但馬空港」で進められています。

◆関空・伊丹・・・旅客数は関空約2321万人、伊丹約1452万人とケタ違いの規模です。「オリックス、ヴァンシ・エアポート コンソーシアム」が設立した「関西エアポート株式会社」により、2016年4月から44年間の運営委託がスタートしました。運営権対価は490億円×44年と破格です。運営会社は両空港の一体的運営による経営改善を進める計画です。

◆仙台空港・・・旅客数は約311万人。マーケットサウンディングには71社が応募したとのことで、「東急・前田建設・豊田通商グループ」が設立した「仙台国際空港株式会社」により、2016年2月から空港ビル事業が、また7月から滑走路など含めた本体事業が、当初30年+オプション30年→最長65年の運営期間で始まります。運営権対価は22億円。受託運営会社は空港周辺地域の活性化も視野に経営改善を進めるようです。

◆高松空港・・・旅客数約180万人。昨年実施したマーケットサウンディングでは仙台空港より多い93社が応募。事業期間は当初15年+オプション35年→最長55年を予定しています。実施方針を7月に公表し、9月頃から事業者を募集を始めるとのことです。

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上記リンク先に示されている富士山静岡空港の「スキーム案」では、事業期間は当初20年+オプション20年→最長45年を予定し、事業にあたっては現在運営している「富士山静岡空港株式会社」を活用することとしています。

旅客数がヒトケタ違いますが、識者からも「ポテンシャル(潜在能力)はある」と意見をもらっており、まずは現在実施中のマーケットサウンディングでの富士山静岡空港への関心・評価が気になるところです。

現在は毎年5億円程度の赤字経営ですが、民間の知恵を活かして、県民に役立つ空港になるかどうか・・・、引き続き要チェックです。

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これまで富士山静岡空港について書いた記事を備忘録として下記にまとめました。

★空港ビル増築に70億円!?(2015.7.25)

★富士山静岡空港の経営改革(2014.12.8)

★富士山静岡空港33億円の増改築?(2014.6.11)

★仙台空港のPFI(2014.4.26)

★静岡空港利用者目標(2014.3.31)

★富士山静岡空港の新たな運営方針(2013.5.6)

★先導的空港経営検討会議の答申(2013.4.2)

★静岡空港の経営健全策(2012.12.10)

★静岡空港と改正PFI法(2012.4.24)

★運行支援金(2011.10.3)

★搭乗率保証(2011.9.13)

このほか空港経営については、2012年度の建設委員会、2013年度の企画文化観光委員会でも質問で取り上げています。

私の委員会での発言(議事録)は★こちらからどうぞ。