産業委員会視察報告
10/19-20、県議会産業委員会で県内視察を行いました。
今回の目玉は、裾野市でトヨタ自動車が来年から進める「コネクティッド・シティ」です。「ウーブンシティ(糸を編んだような街)」と呼ばれる構想のこの街は、網の目のように織り込まれた道路のデザインが語源と言われています。
道は「e-Palette」のような自動運転車が走行する道、歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存する道、歩行者専用の道の3種類に分けられ、インフラはすべて地下に設置されるとのこと。
来年1月からまちづくりに着手するということで、そんな夢のような街がいつできるんだろうと期待しましたが、「常に変化し続けるので完成はしない」とのお話で、具体的なスケジュールや将来像は教えていただけませんでした。
着手する場所は、東名高速裾野IC近くの「トヨタ自動車東日本」東富士工場。ここはトヨタ自動車の子会社で、1500ccクラスの乗用車などを生産していた工場です。
2年前の2018年夏に、2020年12月末をもって閉鎖すると発表され、地域では大きな問題になりました。
事態が急展開したのが今年1月。アメリカ・ラスベガスでトヨタ自動車の豊田章男社長が、ここに未来の実証都市を創る、と表明しました。
豊田社長はここで、CASEと呼ばれる次世代自動車技術に加え、人工知能(AI)、ヒューマン・モビリティ、ロボット、材料技術、持続可能なエネルギーなどを研究するとのことです。
工場跡地の面積は約35万㎡(JR東海浜松工場が約32万㎡)。東名高速を挟んで反対側には「トヨタ自動車」の東富士研究所があり、豊田社長は発表の時に70万㎡と言っていたので、隣のトヨタの東富士研究所も含めて計画しています。
ここにはトヨタの社員2千数百人がいると聞いているので、まずはその人たちが、そこに住んで実証都市の住民になるのかな・・・と推測します。
裾野市の期待は大きく、まず工場部分の土地の活用ができるように都市計画の変更を進めています。
日本は規制が多いので、土地利用をはじめ規制緩和が必要になります。どんな規制緩和を考えているか聞きましたが、残念ながらまだお答えいただけませんでした。
また裾野市は「デジタル クリエイティブ シティ構想(SDCC)」をスタートしています。ウーブンシティを核に、周辺のまちづくりや交通環境整備、人材育成などに取り組む計画です。
浜松もデジタル化に積極的に取り組んでいますが、これから県の東西で未来志向の取り組みが進んでいくのを期待したいと思います。
このほか、裾野市内では、GFeファーマーズフロントを訪問し「高床式 砂栽培」という新しい農法を見てきました。最近、「農福連携」が進んでいますが、技術でこれを後押ししようというものです。
イメージは「いちご狩り」。最近のいちご狩りは、ビニールハウス内の高設栽培が多いですが、野菜をそういうシステムで作っちゃおっていう話です。しかも土でなく砂で。このあたりにノウハウがあるようで、東レのグループ企業が展開しています。
このほか、富士宮市では1日12万パック出荷する巨大な卵工場を見てきた。時間が足らず100万羽の鶏が飼育されている農場は見れませんでしたが・・・。
また沼津市にある「信用保証協会沼津支店」を訪問。9月にヒアリングしているので、その後の動向を知ることができました。県西部では新規の申し込み件数が中東部に比べ落ち着いてきているように感じました。コロナ対応の制度融資は12月末までとなっていますが、引き続き今後の状況をウォッチします。
写真は順に「富士たまごさんから見た富士山」「御殿場から見た富士山」「GFeの永井社長」「富士たまごの出荷場。ここ以外はほとんど無人化」