令和3年度静岡県当初予算案

令和3年度当初予算案が公表されました。(数字は四捨五入で億円単位にまとめてあります)

一般会計の総額は1兆3094億円。前年度当初比で302億円(+2.4%)の増加となりました。1998年度から2002年度まで1兆3千億円を超えた時期がありましたが、近年では大きな規模となりました。

◆歳入

県税は前年度当初比▲400億円の4470億円。コロナ禍で企業収益悪化により法人2税が▲290億円となるほか、消費低迷による地方消費税▲53億円、さらに個人県民税▲28億円などが主なものです。

国庫支出金はコロナ対策などで+294億円増の1677億円となっています。

地方交付税は+154億円増の1669億円となっていますが、税収の落ち込みを埋めることはできず、臨時財政対策債を1138億円(+518億円)発行することになります。通常の県債は999億円(▲66億円)となっていますが、臨財債を含めた起債増により将来負担が拡大します。

◆歳出

新型コロナウイルス感染症対策経費は538億円。R2年3-12月の補正額は1250億円で、今定例会にR2補正分200億円が計上されていますので、合計では2000億円近い規模になります。

義務的経費は6296億円(▲7億円)。扶助費や公債費は増えますが、災害復旧費、人件費が減っています。投資的経費は1842億円(▲175億円)。老朽更新は不可避ですが厳しい財政事情を反映しています。

◆県債残高と基金の推移

歳入歳出は単年度の収支ですが、ストック情報も重要です。

通常債残高は1兆6414億円(2年度末比▲144億円)と減少を見込んでいますが、前述のとおりR3年度は臨時財政対策債の発行が多いので、臨財債残高は1兆2271億円(同+610億円)と大幅に増加し、その他借金を含めると2兆9155億円(同+501億円)と大幅増になる見込みです。

当初予算編成後の活用可能基金残高は53億円。前年度比で▲155億円となり、リーマンショック後と同水準の厳しい財政状況になります。引き続き、今まで以上に事業を精査し、ムダをなくしていく必要があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

令和3年度の当初予算編成方針は次のとおりです。

◆方針1 ウィズコロナ・アフターコロナの時代の先導的な地域づくり

●感染拡大防止とリスクへの備え

●「フジノミクス」による経済の拡大

●「ふじのくにライフスタイル」の創出

◆方針2 人づくり・富づくりの総仕上げ(総合計画 前半4年の最終年度)

①命を守る安全な地域づくり

②安心して暮らせる医療・福祉の充実

③子どもが健やかに学び育つ社会の形成

④誰もが活躍できる社会の実現

⑤富をつくる産業の展開

⑥多彩なライフスタイルの提案

⑦“ふじのくに”の魅力の向上と発信

⑧世界の人々との交流の拡大

◆方針3 生産性が高く持続可能な行財政運営

●政策の推進に向けた組織体制の強化

●将来にわたって安心な財政運営の堅持

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

令和3年度 組織改編の特徴は次のとおりです。

・「経営管理部 ICT推進局」を「知事直轄組織 デジタル戦略局」に改編

デジタル戦略担当部長を新設するとともにデジタル顧問団を設置します。なお「統計利用課」を「データ活用推進課」に名称変更します。名前だけでなく実務を向上させてほしいところです。

・「健康福祉部 感染症対策局」を新設

担当部長を配置するとともに40人の専任組織とします。今年度は兼務や増員で職員さんの負担大でした。引き続きコロナ対応に万全を期します。

個別の事業は今後チェックしていきます。

★令和3年度当初予算案(静岡県のサイト)